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なぜ紛争地の人々を取材するのか 安田さんの言葉を聞いたジャーナリストの想い

11/3(土) 7:02配信

BuzzFeed Japan

安田さんが会見

2015年6月にシリアで拉致され、40ヶ月にわたり拘束されていた安田純平さん(44)が11月2日、日本記者クラブで会見した。

集まった約400人の報道陣には、中東など紛争地での取材経験を重ねてきた人も少なくない。

パレスチナを中心に30年以上にわたり、紛争地などで取材を続けてきたジャーナリストの土井敏邦さん(65)も、その一人だ。


土井さんは、イスラエル軍のパレスチナ占領政策に疑問を抱いた元兵士らの声を記録し、第83回キネマ旬報ベスト・テンの文化映画部門第1位に輝いたドキュメンタリー映画「沈黙を破る」や、イスラエルによる封鎖下を生きる人々の姿を描いた連作「ガザに生きる」などの作品で知られる。

シリアでのジャーナリスト後藤健二さんらの拉致・殺害事件(2015年)などを契機に結成された「危険地報道を考えるジャーナリストの会」の世話人の一人でもある。

中東の紛争地で豊富な取材経験を持つ土井さんは現場取材にどう臨み、2時間近くにわたり会見で語った安田純平さんの言葉をどう聞いたのか。

なぜ、ジャーナリストは紛争地に行くのか。【BuzzFeed Japan/貫洞欣寛】

なぜ現場を目指したのか

安田さんは会見の冒頭で「私の解放に向けてご尽力いただいた皆さん、ご心配いただいた皆さんにおわびするとともに、深く感謝したい。私自身の行動によって、日本政府が当事者にされたことは、大変申し訳ありません」と頭を下げた。

その上で、なぜ自分がシリアの反体制派支配地域入りを目指したのかを、こう説明した。

「(アサド政権という)権力の失われた地域で、人々の地域社会がどのように安定しているのか、おそらく人々の共通の価値観、倫理観であるイスラムが地域の安定に寄与しているであろうと思った」


反体制派が支配を続けたシリア北部イドリブ県には、イスラム教社会でつくられる自治組織と言える、イスラム法に従ってイスラム法学者らが判断を下す「イスラム法廷」が設置され、反体制派による警察組織もできていた。

「そういった状況の中で生活しているキリスト教徒やドルーズ派など少数派の人がどう生活をしているのかを、ぜひ見たいと思った。

イスラムに基づく地域社会というものが、外部の人間から見て理解しうるものなのか探りたいというのが、今回の目的だった。

そこにに外国人義勇兵も集まっていて、生活しながら反政府軍に関与している。人々がどのような事情で戦闘地域に行ったのか。

彼らがどんな理想を抱いてそこに来るのかというところまで広げることができれば、これからの世界を見る上で、参考になるのではないかと思いました」

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最終更新:11/3(土) 10:23
BuzzFeed Japan

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