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“ごちそうとはなんぞや”。「龍吟」店主、山本征治が、これから目指すものとは?

11/4(日) 11:01配信

食べログマガジン

シェフインタビュー「本物を発信する場を作りたい」--日本料理 龍吟 山本征治さん

2003年、六本木に開業して以来、日本料理だけでなく日本の食のシーンをリードしてきた「日本料理 龍吟」。ミシュラン7年連続の三つ星掲載、ワールドベストレストラン50への数回に渡るランクイン、世界のベストシェフ選出……。いくつもの輝かしい実績を作ってきた名実ともに日本を代表する名店が、開業15周年を迎える今年8月、日比谷に移転し新たなスタートを切った。オーナーシェフである山本征治さんに話を聞いた。

ーー開業15周年での移転。どのような心境でしょうか?

「本物を伝えたい」というのが今の一番の思いです。それがうまく伝わるよう、第二章の幕開けを果たしたつもりです。

この14年間、「物事の真髄とはなんぞや」という思いでやってきました。そして行き着いた心境というのが、自分の店で、日本という国の“価値”を作って行きたいということ。自分自身の料理人としての価値ではなく、日本料理が日本の誇りになっているかどうかに力を注いでいきたいと思うようになりました。

奇しくも平成の最後に、皇居の近くという日本を象徴するような場所で新たに店を構えることになったことも、何か感慨深いですし、日本料理への使命のようなものも感じています。

ーーより「日本料理」に対する意識が強くなったということでしょうか。山本さんが考える「日本料理」のあるべき姿とはどのようなものですか?

日本料理は「日本の自然環境の豊かさを、料理を以て表現したもの」と、僕は定義しております。その時期の海の状態、山の状態がどうなっているかを料理で表す。そこには一切の作為がないようにしたい。

季節のもの、素材感、組み合わせ……あらゆることを理解しなければいけない。なおかつ、その表現は多彩であって美しく、そして「和」の精神が通っているかどうか。器にしても、自分の料理を盛らせていただけるのか、それくらい自分の精神修行も成熟してきているのか、と私の心が問われるわけです。やっとそういうことが少しずつわかってくるようになってきました。

だから、素材も器もすべて本物だけを揃えています。ピュアで純潔な日本を守りたい、表現したいという気持ちからです。

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