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【巨人】阿部慎之助「最後は捕手」引退覚悟、直訴に原監督快諾

11/6(火) 6:06配信

スポーツ報知

 巨人・阿部慎之助内野手(39)が、来季から捕手に復帰することが5日、分かった。「あと1、2年で現役が終わるかもしれない。最後は捕手で終わりたい」と前日4日に決断。同夜に宮崎で秋季キャンプ中の原監督に電話を入れ、直訴した。指揮官も快諾。慎之助は「3番手だっていい」という強い決意を持って臨む覚悟だ。ただ、持病を持つ首に不安は残る。それでもなぜ、捕手復帰を決めたのか―。その真相にも迫る。

【写真】巨人の来季布陣

 強い覚悟を感じた。捕手復帰―。そのすぐ側に「現役引退」をぶら下げていた。ただ、阿部の表情は久々に晴れ晴れしていた。4日夜、原監督に「来年はキャッチャーで挑戦させてください」と直訴した。数分の電話が終わると、私にこう言った。「何かホッとしたよ。あとは後悔しないようにやるだけだな」

 シーズン終了後からずっと、自身と向き合い、悩んできた。「俺はあと何年野球をやれるのか。(村田)修一らの年代までどんどん辞めていく。そろそろなのか」。現役引退がちらつき、度々、「後悔だけはしたくない」と考えていた。

 ベンチから戦況を見守ることが多くなった。その際、「ここでマウンドに行ってああしたい、こう言いたいというのは常に思っていた」。小林や大城、宇佐見に持論を押しつけても重荷になる。そう考えるとやりきれなさも残った。「捕手になれば言えることも出てくる。いい投手はたくさんいる。何とかしないと」

 不安はある。13年シーズンに首痛を発症した。一塁に転向したり、また捕手に戻ったり。事実、前任の由伸監督が就任した16年もキャッチャーを辞退。首痛から来る右肩痛が原因で「今でも由伸さんへの申し訳なさがある。力になれなかったから」。この思いが逆に「もう一度…」という気持ちを強くさせていた。

4年ぶり扇の要 10月29日のメディカルチェックでは、同時にMRI(磁気共鳴画像)で首の患部を診てもらった。「今は大丈夫、って言ってもらった」が、また顔面にファウルチップを受けたら、分からない。だが、その夜から気持ちは前向きになった。「その時はその時でしょ。潔く引退するよ。やってみなきゃ分からないからな」。食事をしながらも、自身に言い聞かせていた。4日夜、強い覚悟で原監督に電話した。直訴という熱意に指揮官も「よし、分かった。共に戦っていこう」と快諾した。

 「今さら正捕手になれるとは思ってないよ。3番手だっていい。監督の力になれるなら喜んでやるよ」。来季も代打の切り札が主な役割になるだろう。時には、一塁での出場もある。だが「捕手・阿部」が4年ぶりに実現すれば、チームのバリエーションは広がる。

長男に本当の姿 今季は95試合で11発を放った。通算400号まで残り1本に迫るなど、「まだまだ打球は飛んでるよ」と笑う。「肩も普通。オフは投げ込んでいかないとね」とスイッチは入った。野球を始めた第3子の長男(小1)に「やっぱり、本当の姿を見せたいよね」とも意気込んでいる。キャッチャー防具を着けた、あの雄姿が見られるだけでも、野球ファンにはたまらない。(水井 基博)

 ◆捕手阿部でバリエーション増える

 阿部は「正捕手になれるとは思ってないよ」と言った。持病の首痛を考えれば、マスクをかぶる機会も制限しなくてはいけない。だから「第3捕手」が立ち位置になるはずだ。現状の正捕手である小林に、打撃の良い大城と宇佐見の3人体制で臨んでも、「捕手・阿部」がいるから惜しみなく代打で送り出せる。これが大きなメリットになる。

 第3次政権をスタートさせた原監督も、若手の育成が大前提にある。投手を育てるのは、もちろん指導者であるが、捕手の役割も大きい。慎之助も「その選手に合ったやり方はあるはず。そういう役割も分かっている」と話している。由伸前監督の3年間は捕手を一切できなかった。若手投手が伸び悩んだ一因には“阿部不在”もあったはずだ。

 この日、国内FA権を持つ西武・炭谷がFA権の行使を決断した。獲得に乗り出す方針で、原監督が捕手の重要性を重んじている証明でもある。勝敗の鍵を握る投手の成長がない限り、優勝はできない。その意味で、慎之助の復帰は大きな“補強”になった。

最終更新:11/6(火) 16:15
スポーツ報知

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