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飛来したSu-35はどの「Su-35」? ややこしいロシア機の名前、「27=35=37≠35」とは

11/6(火) 6:20配信

乗りものニュース

ロシア最新鋭機あらわるも、どこかで聞いたことあるような…?

 2018年9月19日、防衛省は航空自衛隊が実施している対領空侵犯措置において、ロシア空軍の最新鋭戦闘機スホーイSu-35を日本海海上で確認したことを明らかにしました。この機による領空侵犯はありませんでした。

【写真】新旧Su-35、わかりやすい違いはカナードの有無

 対領空侵犯措置においては戦闘機をスクランブル発進させ、目視可能な距離まで接近し機種を識別、写真撮影するとともに、日本の領空へ近づきつつあることを国際緊急周波数で注意(領空への侵入がなければ合法)を与えます。

 Su-35が極東において実戦配備されつつある事実はかねてより知られており、今年の8月には択捉島にも展開していますが、実際に日本の周辺で飛行中の姿が確認されたのは今回が初めてとなります。

 当初防衛省はSu-27として発表しましたが、翌9月20日にSu-35であると訂正されました。より正確には「Su-35S」と呼称しますが、Su-27と誤認されたことからもわかる通り、Su-27とSu-35Sの見た目の違いはほとんどありません。しかしながら機体は旧来のSu-27をベースとしつつもほぼ完全に再設計されており、新しい構造材を使用するなど見た目以外は完全に別の機種として生まれ変わっています。

 紛らわしいことにロシアでは、1990年代から2000(平成12)年ころに開発したSu-27の性能向上型Su-27Mの輸出型にSu-35という名前を与えていますが、このSu-35(Su-27M)と、今回日本に接近したSu-35Sは関係がない別の機種です。

紛らわしい上によく似てる、その見分けかたは?

 最初のSu-35(Su-27M)は既存のSu-27からのコンバートが5機、強度試験機2機、初期生産型6機、後期生産型3機、そして複座型1機の合計17機が製造されたものの、ソ連崩壊後の経済危機にあえぐ情勢にあってロシア空軍は新鋭機を実戦配備する余裕がなく、これを採用できませんでした。また輸出にも失敗し採用した国はありませんが、西側諸国の間ではSu-27のNATOコードネーム「フランカー」を超える戦闘機「スーパーフランカー」という非公式の愛称で呼ばれていました。

 このふたつのスホーイSu-35(以降Su-35SとSu-27Mと呼称します)を見分けるための分かりやすい相違点が、カナード(先尾翼)の有無です。Su-27Mはカナード、主翼、水平尾翼の3つの翼面からなる「スリーサーフェス」と呼ばれる形態が採用されており、特に低い速度における機動性の向上や短距離離着陸性能を向上させています。

 スリーサーフェス形態はSu-27シリーズにおいて艦上戦闘機型Su-33、爆撃機型Su-34、一部の複座多用途型Su-30などいくつかの採用例がありますが、Su-35Sにはこれがありません。ではSu-35SはSu-27Mに比べて飛行性能に劣るのでしょうか。

 Su-35SがSu-27Mよりも低機動性かと言うと、実はそうでもないようです。まずカナードはそれ自体空気抵抗を増大させ、またレーダー反射源ともなりステルス性を悪化させるデメリットがあります。加えてSu-35Sでは新しいAL-41F-1Sと呼ばれる推力偏向ノズル付きエンジンを搭載したことから、カナードを持たずにカナードと同等以上の機動性向上をもたらしています。推力も約2割増しであるため、Su-35Sの機動性はSu-27Mよりもワンランク上であると見ても良いでしょう。

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