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<弁護士会の集い>改憲主題、京都府が共催断る

11/7(水) 22:27配信

毎日新聞

 京都弁護士会が18日に京都市で開く「憲法と人権を考える集い」について、京都府が例年続けてきた共催を断ったことが分かった。今回は改憲がテーマで、自民党の改憲案に批判的な憲法学者の講演を理由に府は「政治的な中立性を担保できない」と説明。京都市など府内の市町村も相次いで後援を断る事態に発展した。同弁護士会は「多様な意見を紹介し、中立性は保つ。憲法を考える機会を広く提供するのは行政の役割」と訴えている。

 弁護士会によると、集いは1971年に始まり今年48回目。府は毎年共催し、府内の全26市町村も後援してきた。ただ、2014年に集団的自衛権をテーマとした際は、府は共催ではなく後援にとどめた経緯がある。

 今年は同志社大(京都市上京区)を会場に開催。第1部で府内の高校生が改憲問題について調べたり、議論したりしたことを発表し、第2部で憲法学者の木村草太・首都大学東京教授が「憲法の未来」と題して講演する。

 弁護士会が府に木村教授が自民党の改憲案を取り上げると説明したところ、府は木村教授が同党の改憲案に批判的なことから共催に難色を示した。府人権啓発推進室によると、審査基準に「政治的な内容を含まない」という規定があり、「内容は否定しないが基準に抵触すると判断した」という。

 府の判断を受け、宇治市や舞鶴市がいったん決めた後援を撤回するなど次々と市町村が追随。後援は南丹市、京丹波、大山崎両町の3市町にとどまった。南丹市は「憲法について学ぶ良い機会だと考えた」としている。

 同弁護士会は「高校生の発表もあり、特定の政党や立場に依拠したものではなく、憲法教育の一環。行政が背を向けるのは残念だ」としている。【大東祐紀】

 ◇後援拒否相次ぐ

 政権に批判的な内容が予想されるイベントについて、政治的な中立性を理由に自治体が後援を拒むケースは各地で相次いでいる。

 2015年に護憲派団体などでつくる実行委が企画し、米軍基地問題の報告などを含む「神戸憲法集会」への後援を兵庫県と神戸市が拒否。同年には市民団体主催の「平和のための戦争展ふくおか」について、福岡市が「展示漫画に原発再稼働反対の記述がある」などと後援を拒んだ。

 このほか、広島県教委と広島市教委が、今年9月の前川喜平・元文部科学事務次官による教育に関する講演会の後援を「政府への批判的発言が目立つ」などとして断っている。

最終更新:11/7(水) 22:27
毎日新聞

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