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上映館が100倍に拡大、タイ版“カメ止め”『バッド・ジーニアス』ヒットの理由

11/7(水) 8:40配信

オリコン

 タイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』が、ジワジワと口コミで広がり、話題を集めている。もともと1館封切りでスタートした本作は、今や上映館は100超。公開前のメディアプロモーションすらなかったにも関わらず、このような好調ぶりを見せるあたり、異例のヒットを記録した映画『カメラを止めるな!』を彷彿とさせる。『スッキリ!』(日本テレビ系)で同作を紹介し、ヒットのきっかけを作った映画ライター・よしひろまさみち氏が、その好調ぶりを分析。来日した監督、主演女優にも、反響の感想を聞いた。

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■公開前の大プロモーションは不発? 波乱が続く映画興行

 今年の映画興行は波乱ぶくみだ。夏休み映画で期待されていた注目作のいくつかが奮わず、その代わりに話題の中心となったのが低予算の自主映画『カメラを止めるな!』だった。9月も『若おかみは小学生!』や『クワイエット・プレイス』など、大々的なプロモーションを打ちださなかった作品が口コミでヒットし、今もロングランを続けている。いわゆる番宣を中心とした地上波テレビのプロモーションの規模だけでは、ヒット予測は計れなくなっているといっていい。そんななか、ジワジワと全国に公開館を増やし続けている意外な作品がもう一つ。それがタイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』だ。

 昨年の映画界でダークホース的存在だったのは、韓国の『新感染 ファイナル・エクスプレス』や、インドの『バーフバリ 伝説誕生』など。カルトな人気を集めて話題となり、爆音上映や応援上映などといったイベント形式の上映に注目が集まった。今年は同様に『カメラを止めるな!』が異例のヒットとなったと共に、『バッド・ジーニアス』がダークホースといえそうだ。この2作品に共通するのは、出演者が無名、封切り時の上映館数の100倍を超す拡大公開、そしてそのきっかけとなったのは口コミ、ということだ。

■アジア各国でヒットするも、市場の小ささから日本では話題にならず

 そもそも日本でのアジア映画の市場は、日本映画と欧米の映画に比べるとそれほど大きくない。『バッド・ジーニアス』監督のナタウット・プーンピリヤはそんな日本の市場を聞いて、「知らなかったけど、それならこのヒットはなおのこと嬉しい」と語った。また、主演女優のチュティモン・ジョンジャルーンスックジンは、「アジア各国でヒットをしましたが、特に驚いたのが台湾。公開後にPRで訪れましたが、空港で何千もの人が出迎えてくれて、外に出られないほどの歓迎をされました」と、他国での反響の大きさに戸惑ったそうだ。

 彼らはタイ本国でも、この映画のヒットからブレイクした存在。それまでは無名だった。監督は「この作品のおかげでチャンスの機会が広がった。有名になったことよりも、それが僕らにとってのボーナスみたいなもの」と言うが、アジア諸国での彼らの認知度は作品のヒットにより急速に上がり、11月3日の来日も次回作の合間を縫っての緊急弾丸日程となっていた。

 では日本での彼らはどうかというと、前述の通り、アジア映画市場の小ささからか、本作の他国でのヒットはあまり伝わることがなかった。昨年の『アジアフォーカス・福岡国際映画祭2018』での上映で観客賞を受賞したとはいえ、作品や彼らを知っていたという人は、公開前は少なかっただろう。もちろん、1館封切りでスタートした作品だけに、公開前にメディアを使ったプロモーション祭りは皆無。それでも『バッド・ジーニアス』の人気は一人歩きし、封切り時は都内1館だった上映館も、現在は全国100を越す勢いとなっている。

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最終更新:11/8(木) 12:25
オリコン

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