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(寂聴 残された日々:41)法臘四十五 剃髪は命の誕生、涙は出なかった

11/8(木) 16:00配信 有料

朝日新聞デジタル

 私には一年に誕生日が二回ある。
 母の胎内からこの世に出た日と、人生の中程で、出家得度した日である。後の誕生日は、お寺の子供として生まれた人以外はめったに縁がない。
 母から産まれた日は大正十一(一九二二)年五月十五日である。いつでもこの日は爽やかに晴れていて気持ちがいい。その日も晴れていたから晴美という名を父がつけたのではなく、私を男の子と思いこんで父が用意していた名が晴美だったらしい。その頃、晴美は男の子に多かったらしい。
 小説家になった私が岡本かの子を書いた時、かの子の恋人の名が気にいらないと、かの子がつけた愛称が晴美だった。…… 本文:1,232文字 この記事の続きをお読みいただくには、朝日新聞デジタルselect on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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