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実は謎が多い…上野の西郷さんと愛犬の銅像

11/8(木) 17:30配信

デイリースポーツ

 多くの都民に親しまれている“上野の西郷さん”。その銅像の足元にいるのが愛犬「ツン」である。明治維新3傑の1人として有名な西郷隆盛の銅像は、明治・大正を代表する彫刻家・高村光雲の制作。ここまでは割と有名な話だが、その西郷さんの足元に寄り添っている愛犬「ツン」の作者は、高村光雲でなく、彫刻家・後藤貞行であることはあまり知られていない。

 上野管理事務所の山室昇氏は「はっきりしたことは定かではないが、確かに伝わる文献からは『ツン』の作者は高村光雲でなく、後藤貞行となっています。しかし、その理由については定かではない」という。

 陸軍省軍馬局に勤務していた後藤貞行。馬好きだった彼は、馬の絵を描き始め、彫刻を極めた。その後、高村光雲とタッグを組み、あの有名な楠木正成の木造を皇居前に作成。その際、楠木正成を高村光雲、馬は後藤貞行が担当したという。これと同じ手法で西郷隆盛を高村光雲、犬のツンを後藤貞行が造ることになった-との説が有力視されている。

 ちなみに本物の「ツン」はメスだったというが、この像はオスになっている。謎の多い銅像である。

 ではなぜ、西郷隆盛の銅像が上野にあるのか?出身地の薩摩、鹿児島県なら分かるのだが…。実は、上野も西郷にとって“ゆかりの地”であったという。

 勝海舟との「江戸無血開城」の会談後、それに反対する徳川家の家臣たちが結成した「彰義隊」が、上野にあった徳川家の菩提寺「寛永寺」に立てこもり、一戦を交えた。その際、新政府軍側の西郷が攻め込んだ場所が上野公園だった。今でも西郷の銅像のすぐそばに、「彰義隊」の墓碑がある。

 この銅像を見た西郷の妻・お糸さんが「うちの人はこんな人じゃない」と言ったとされるように、上野の西郷さんは本物にはあまり似てないようだ。誰をモデルに造ったのか?これもまた謎の一つだろう。NHK大河ドラマ『西郷どん』で、その結論を出してもらえるとうれしいのだが…。(デイリースポーツ特約記者・二階堂ケン)

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