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遺伝子組み換えペチュニア 「未承認」知って栽培は法違反にも

11/8(木) 10:42配信

産経新聞

 園芸店やホームセンターで種子や鉢植えで売られることが多い草花「ペチュニア」。昨年、未承認の遺伝子組み換え品種が出回っていることが分かり、回収を呼びかけていたことをご存じだろうか? 回収対象の品種と知りながら栽培すると、法律違反に問われる可能性もあるので注意が必要だ。(平沢裕子)

 ◆FB写真で指摘

 「遺伝子組み換えペチュニアの花が咲きました」

 千葉県在住の男性(67)が10月半ば、インターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」に、こんなコメントとともにペチュニアの写真をアップした。このペチュニアは、農林水産省と環境省が昨年5月、未承認の遺伝子組み換え体であることを確認、業者に回収するよう指導した4品種の中の一つ「F1オレンジクイーン」だった。花(花弁)がオレンジ色の特徴を持つ海外の市販品種をもとにタキイ種苗(京都市)がさらに改良を行ったものだ。

 男性は、ペチュニアを回収していることを報道で知った後、近所の園芸店でオレンジ色のペチュニアを見かけ、「もしかしたら」と好奇心から購入。販売元のタキイ種苗に問い合わせ、対象品種であることを確認したが、廃棄せずに室内で栽培していた。

 しかし、FBを見た知人から、「未承認の遺伝子組み換えペチュニアと知っていて栽培すると、カルタヘナ法違反になる」と指摘された。男性は「売買しなければ問題ないと思っていた。オレンジ色だけでなく、別の色の花も咲いてきれいだったんですが…」と残念がる。ただ、このまま育てると法律違反となることから、栽培をやめたという。

 ◆トウモロコシ由来?

 農水省によると、ペチュニアは短期間で花が咲くなど、遺伝子組み換えの実験が最もしやすい植物とされ、世界中でペチュニアを使った遺伝子組み換えの実験が行われているという。

 実は、在来種のペチュニアにオレンジ色の花はない。ペチュニアに遺伝子組み換え技術を使ったのは、花をオレンジ色にすることが目的とみられ、同省によると、トウモロコシ由来の遺伝子が導入されていた可能性がある。ただし、品種を開発したタキイ種苗は遺伝子組み換え技術を用いておらず、育成に用いた海外の市販品種が遺伝子組み換え体だったようだ。

 ◆品種の確認を

 未承認の遺伝子組み換えペチュニアが見つかったことで、農水省は国内の種苗会社に対し、ペチュニア品種の自主検査を要請。昨年12月までに、国内で販売が確認された1359品種中、60品種が未承認の遺伝子組み換え体と判明した。

 ペチュニアは、南米原産の外来種。回収対象品種の中には1年以上前に苗や種子が販売されたものもあり、知らずに栽培している人がいる可能性がある。農水省農産安全管理課の山原洋佑課長補佐は「室内でペチュニアを栽培している人は、種子の袋や名札などが残っていれば品種を確認してほしい」と呼びかける。

 対象品種は、農水省のホームページ(http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/torikumi/petunia.html)で公開している。対象品種と判明した場合は、別の品種と意図的な交配や新たに種子を取ることはせずに、抜き取ったものは生ゴミとして処分する。

【用語解説】カルタヘナ法

 生物の多様性へ悪影響が及ぶことを防ぐための法律。遺伝子組み換え技術を用いた生物(観賞用の花など)を輸入、流通、栽培するには、事前に申請を行い、科学的見地から評価を受け、生物の多様性確保に問題がないものとして承認を受ける必要がある。違反した場合、6月以下の懲役または50万円以下の罰金などの罰則がある。遺伝子組み換えされた花のうち、日本で承認を受け、栽培されているものは、現時点ではサントリーなどが開発した「青いバラ」のみ。

最終更新:11/8(木) 10:42
産経新聞

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