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数百個にプロトコーム形成 上伊那農業高校のアツモリソウ

11/8(木) 6:10配信

長野日報

 美ケ原高原に自生する絶滅危惧種アツモリソウの保護回復事業に参画する上伊那農業高校(南箕輪村)は7日、人工授粉を経て高原の自生地で8月に採取した種を校内で無菌培養したところ、数百個にプロトコームが形成されたと発表した。白っぽい色をした組織の塊で、芽が出た状態ではないが、ラン科植物では発芽に当たる。順調に肥大しており、専用の培地に移し替える作業に着手。今後、芽や根が出て苗に育つことが期待できるという。

 活動しているのは、同校バイテク班と植物科学コースの生徒たち。今年は6月に人工授粉をして7株が結実したことを確認。8月上旬にこのうち2株のさやを採取し、校内の無菌室内で培地瓶に種をまく作業をした。

 プロトコームの形成が始まったのは9月半ばから。直径2~5ミリに肥大したものをピンセットで育成用の別の培地に移し替えている。美ケ原での活動は3年目となるが、今年はアツモリソウの開花状況が良好で、花粉を他の花の柱頭につける「他家授粉」が初めて実現。良質な種が採れたことが順調な生育に結び付いたとみている。

 昨夏に採った種にも数個形成されたが、自家授粉(近親交配)だったためか、こちらは肥大しなかったという。

 バイテク班班長の草間楓さん(18)=3年=は「思ったより早く成果が出ている。自分たちの夢が現実味を帯びてくる」。顧問の有賀美保子教諭は「第一段階をクリアして増殖への目途がついた。自生地への苗の植え戻しまでには多くの課題があるが、生息域外保全に向けては大きな一歩を踏み出せた」としている。

最終更新:11/8(木) 6:10
長野日報

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