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台風21号禍の大阪 復旧資金CF(クラウドファンディング)で

2018/11/8(木) 7:02配信

日本農業新聞

 台風21号の暴風雨でビニールハウスの損壊が相次ぐなど甚大な被害を受けた大阪府で、農家らがインターネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)を利用して、再起を目指す動きが出てきた。ハウスを施工する職人の不足や資金難から再建が思うように進まない中、農産物などを返礼品にし、ハウスの撤去やビニールの張り替えに必要な資金の調達を目指す。ハウスの撤去などにかかる人手を集める仕組みを作ろうと、CFを活用して資金を集める府内の民間企業も出てきた。(藤田一樹)

ハウス再建少しでも 富田林市若手農家

 富田林市の若手農家24人でつくるグループ「富田林市の農業を創造する会」は、10月からCFを始めた。

 発案したのは同会メンバーで、ナスやキュウリなどを栽培するファームスギモト代表の杉本一義さん(42)。台風21号で、所有するハウス60アールの半分ほどの9棟が倒壊し、残りもビニールが剥がれた。施工業者に問い合わせたものの、職人などの不足で来年夏ごろまで建て替えができない見込みだという。「ナスなどが栽培できないため、大幅な減収になる」と頭を抱えた。「国の支援では修繕費用の全額は賄えない。残りの費用はどうすれば」と焦りが募った。ハウスが損壊した同会メンバーからも先行きを心配する声が上がっていた。

 こうした状況を打破しようと府議会議員や行政関係者らに相談する中、CFの存在を知った。「何もしないでいるわけにはいかない」。同会メンバーに呼び掛け、資金調達に乗り出した。

 開設には約1カ月かかった。掲載する写真の収集や被害を訴える文章の作成、返礼品の調整など慣れない作業に苦戦。10月20日にようやく開設にこぎ着けた。募集期限は12月19日。同市特産のナスやトマトなどを返礼品に、同会メンバーの復旧費用の一部に充てる800万円の資金を集めることが目標。手数料として集まった額の2割はCFの運営会社に支払うため、少しでも多くの資金を集めたい考えだ。

 ウェブサイトには、被害を受けたハウスの写真と併せ「台風なんかに負けたくない」「若手農家に再建のチャンスを」と掲載し、思いを訴えた。

 同市では、10ヘクタールの農業用ハウスが損壊するなど深刻な被害が出た。ハウスの被害金額は1億8000万円に上る。台風から2カ月たった今もハウスの建て替えはほとんど進んでいない。

 杉本代表は「資金を集め、少しでも復旧を進めたい」と話す。

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最終更新:2018/11/8(木) 7:02
日本農業新聞

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