ここから本文です

ドラッグストア業界に不当取引体質 客ら驚き「今の時代に通用しない」 ゲンキー立ち入り

11/8(木) 17:41配信

福井新聞ONLINE

 公正取引委員会が11月7日、独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いでドラッグストアのゲンキー(本社福井県坂井市)に立ち入り検査した背景には、不当な取引を続ける業界全体の体質も一因との指摘がある。関係者からは「業界のイメージダウンにつながる。全体で法令順守を徹底していく必要がある」との声も上がっている。

【画像】ゲンキーの店舗

 大規模な小売業者への納入業者を対象とした公取委の調査報告書によると、ドラッグストア業界では取引の3割近くが独禁法上の問題となり得ると指摘。その割合は他業界に比べて高かった。納入業者への聞き取りでは「返品を断った業者は陳列スペースを減らされた」などの訴えがあったという。

 ゲンキーは新規出店の際、納入業者に従業員を不当に派遣させ準備を手伝わせた疑いがある。県内の小売業関係者は、出店時に納入業者に商品の陳列などの手伝いを求めること自体は「業界では昔からの慣習」と明かす。ゲンキーに食品を卸している、ある業者も「新店オープンの日に社員を手伝いに行かせていた。(ゲンキーからの)強制ではなく好意で行っていた」とし、「人手が足りない日なので、顔を出しておくと今後の仕事がしやすくなるという思いがある」と述べた。

 ただ、あるスーパーの担当者は、10年前に大手家電量販店が納入業者に人員を派遣させ、商品搬入や陳列を無報酬で手伝わせたなどとして、独禁法違反で排除措置命令を受けたことを挙げ「これを機に小売業界内の意識が高まった。手伝ってもらった時間に見合った金銭を支払うのが普通。無報酬だったのなら信じられない」と驚いていた。

 県外に本社があるドラッグストアの担当者は「疑いをかけられることはあってはならないが、一部の企業で不当な取引をしているという話も聞く。業界全体でえりを正していかなければ」と指摘した。

 ドラッグストア業界は、スーパーやコンビニとの競争が激化し、各社は生き残りへ出店を加速している。ゲンキーも近年、年間20~40店程度の出店を続ける中で、独禁法違反の疑いが浮上した。同社の広報担当者は「指摘を受けている事実があったかどうか社内で調査している」とし、今後の出店計画に関しては「変更はない」と話している。

1/2ページ

あなたにおすすめの記事