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「遊んでるからだろ?」 子宮頸がんを公表、誤った知識で非難されたアイドルがいま、伝えたいこと。

11/8(木) 11:17配信

ハフポスト日本版

持病のせいで、生理が乱れているのかも。

あまり気にしていなかったこの症状が「子宮頸がん」だと分かったのは、まだ23歳の秋だった。

アイドルの夏目亜季さん(28)は、4年前の出来事を振り返って明るく笑って言った。

「他人事みたいでした。初めて聞かされた時は。でもいまは、これを機に仕事に生きよう、人に伝えていこうと思っています」

日本産科婦人科学会によると、国内では年間約1万人が子宮頸がんにかかり、約3000人が命を落としている。

2000年以降、患者数も死亡率も増加している。原因は主にHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染。だがウイルスの感染以外に原因がある場合もある。

友人の手術で自分の身体も気になった。きっかけは不正出血

月経の予定日じゃなくても、ちょろちょろと少量の不正出血が続いていた。

17歳のころ、難病の自己免疫性溶血性貧血にかかった。服薬治療をしていたこともあり、月経不順も「薬のせいだろう」と考えていた。

この症状はいつからあったか分からないほど、慣れてしまっていた。23歳の夏ごろから、不正出血は重くなってきた。痛みはないが、出血の量も多い。

さすがに気になって、高校時代の友人に相談した。

「卵巣のう腫で手術したんだよね」と友人は明かした。「この時初めて、子宮や卵巣に起こりえる病気の恐さを目の当たりにした」と夏目さんは言う。

すぐに近所のクリニックを探した。これまで、産婦人科に通ったことはなかった。検査を受け、結果が出る前日、クリニックから電話がかかってきた。

「明日は、絶対に来院してください」

嫌な予感がした。

診断結果は「高度異形成」...がんじゃなかった?

子宮頸がんの検査は、2段階ある。クリニックで夏目さんが受けた検査は1段階目のものだ。

診断結果は、がんとは断定されなかった。がんの前の状態で、細胞が異常化している部分が子宮頸部に全体的に広がっていた。ただ、悪性のがんがある疑いは残っていた。

最初の細胞診と言われる検査では、子宮の入り口近くである頸部周辺を、大きな綿棒と、ブラシまたはヘラのような器具を使って少しこすり、細胞を採る。

痛みを感じる人はほとんどいない。ただ、夏目さんはこの検査の時点で出血が止まらなかったという。

この検査の結果はI~V段階で、IIIはaとbに分かれている。夏目さんはIIIbの「高度異形成」という状態と診断された。

「知り合いのお医者さんからは、『まだがんじゃないよ。大丈夫だよ』と言われた。少しホッとして、次の検査を受けることにしました」

2週間後、2回目の検査を受けることになった。

この間、安産や子宮に関連する神社のお守りを買い込み、パワースポットを巡って何もないことを祈った。自分の身体に何かが起きている。安心して、と言われても居ても立っても居られない状態が続いた。

次の精密検査は、細胞診で異常がある場合、その部分の組織を少し切り取って顕微鏡で診断するもの。これはがん検診の最終診断となる。

検査後、出血に驚きながら呼び出された診察室で、言われた一言は今でも覚えている。

「お母さん、どこに住んでいるの。あなたはまだ若いから、一緒に親と聞いてもらったほうがいい」

これは悪い結果なのか。「もう、その時点でやばいやん。ああ、どうしよう、もう見えてるやん」と思った。ショックで他人事のような気持ちだった。

1週間後、京都・舞鶴市に住む母親とともに病院を訪れた。一緒に聞かされた結果は前がん病変どころの話ではなかった。

医師は「IB1期です。子宮は全部取らないといけない」と説明。

この時のステージ(期)は、最初に受けた細胞診のI~V段階の分類とは異なり、さらに別の分類(下記図)で示される。夏目さんは、がんだった。

焦る気持ちを抑えて、待合室で知り合いの医師に電話をかけた。「子宮全摘って、まさか言われてしまったんですけど、どうしよう」と言うと、「子宮を全摘出しなくてもいい手術もある」と紹介を受けた。

「まだ、子どもを産める可能性を残しておきたい」と強く思った。

日本産科婦人科学会の分類によると、IB1期は、がんの病巣が4cm以下のものを指す。分類はI~IV期まであり、その中でも細かく分けられている。

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