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【特集】左手だけのピアノコンクール 闘病の女子高生に密着

11/8(木) 14:39配信

MBSニュース

「治療すると(発症前の)7割~8割は良くなる。だけど音楽家の人に聞くと、演奏っていうのは120%じゃなきゃダメだから、7割良くなってもダメなんだって」(堀内正浩部長)

突然襲い掛かった病気は、眞子さんのピアニストとしての夢を奪いかねないものでした。

「今まで(両手で)弾きたい曲がたくさんあったので、その曲が弾けなくなるかもしれないと考えると、早めに弾いときゃ良かったとか、もっと真面目にやっときゃ良かったなとか、すごくいろいろ考えました」(早坂眞子さん)

「左手だけのピアノ楽曲」を発掘

そんな時に出会ったある人物がいます。「左手のピアニスト」として活動している智内威雄さん(42)です。眞子さんは今年4月から智内さんのもとで左手ピアノを学び始めました。片手だけで弾き続けるための音の出し方や力の入れ方など細かく指導を受けます。

智内さん自身もヨーロッパでの音楽留学中に右手に局所性ジストニアを発症し、一度はピアニストの夢を断たれました。そんなとき出会ったのが「左手だけのピアノ楽曲」でした。

「これはね、100年前といえば100年前なんですけど、もうちょっと前ですね。といっても1900年初頭…」(智内威雄さん)

左手ピアノは300年の歴史があります。バッハの息子、C.P.E.バッハが練習曲を作ったのが起源といわれています。その後、第一次世界大戦で右手を負傷した人たちが、左手だけの曲を演奏して世に広まり、一時は3000以上の曲が生まれました。智内さんはいつしか埋もれてしまった左手のピアノ楽曲を発掘し、再び世に広める活動を続けてきました。

「左手で弾けるっていうのは、本当に彼らが見つけたものすごい希望の輝きみたいなところがある。音楽の喜びであったり演奏する喜びであったり、そういうものが凝縮されるような世界」(智内威雄さん)

智内さんに勧められ、眞子さんはコンクールへの出場を決意。左手だけのピアノに賭けてみることにしました。しかし、両手で弾くのとは勝手が違います。88鍵の鍵盤すべてを片手だけで弾きこなすには、相当な技術と体力が必要です。眞子さんはコンクール直前まで必死に練習を重ねました。

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最終更新:11/8(木) 14:39
MBSニュース

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