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「100人で年間35万件のレビューに目を通す」 中国メーカー・Ankerが日本で評価される要因を聞いた

11/9(金) 8:00配信

ITmedia NEWS

 製品の生産国表示に“メイドインチャイナ”とあれば、以前は「安かろう、悪かろう」というレッテルを貼られてしまうのが常だった。その一方で、品質に厳しい目を持つ日本の消費者から信頼を得られているメーカーもある。代表例として挙げられるのが、モバイルバッテリーで知名度を上げた中国Ankerだ。

【画像】新型iPad Proの付属品。多くのデバイスには純正の充電器が同梱されているが、使わない人も多いという

 同社の国別売上高を見ると、1位が米国、2位が日本となっている。ECサイト大手のAmazon.co.jpでは、多くのAnker製品が数千のカスタマレビューを集め、評価も星4以上を与えられているものが多い。日本では、大手家電量販店がAnkerのモバイルバッテリーを取り扱う以前から、ネットで評判を聞きつけた客が店頭に“指名買い”でやってくるようなこともあったという。

 そんな信頼と知名度を中国メーカーが勝ち取れたのはなぜだろうか。Ankerのスティーブン・ヤンCEOと、日本法人アンカー・ジャパンの井戸義経代表取締役に聞いた(前後編)。

「ノートPCのバッテリーを改善したい」 元Googleメンバーが創業

 Ankerのスティーブン・ヤンCEOは、かつて米Googleの上級エンジニアとして働いていたが、日頃からノートPCのバッテリーに課題を感じていたという。より安価で高品質な交換式バッテリーを提供したいという思いから、2011年に中国でAnkerを創業。初年度には交換式バッテリーを50万台売り上げた。

 12年にはAnkerの研究開発センターを立ち上げるなど、Google出身の創業メンバーとともに事業を拡大。同年にはモバイルバッテリーや充電器の分野に進出し、接続機器に合わせて出力を適したものに切り替える独自技術「PowerIQ」を開発。充電するデバイスを5つまで同時にUSB接続できる「PowerPort 5」などで人気を博した。日本でも、この“5ポート充電器”でAnkerを知った人は少なくないはずだ。

 今年10月には、スマートフォン用USB充電器並の超小型サイズで、ノートPCのような大型デバイスを高速充電できる「USB Power Delivery」(USB PD:USBを使った電源供給の規格)対応の新製品を業界に先駆けて発表。日本でも発表直後から新製品を評価する声が相次いだ。

 AnkerがUSB PD対応の小型USB-C充電器に注力する理由は何か。そこには、ヤンCEOの「スマートフォンなどに充電器を同梱しないほうがいいのでは」という主張がある。

 「スマートフォンなどに同梱されている充電器を使わない人が多い。年間で約40億個もの無駄が発生している。5~10年と使える性能を備え、全てのデバイスに対応できるユニバーサルな充電器があれば、大きな無駄を省ける」(ヤンCEO)

 10月30日には、これまで接続端子に独自規格の「Lightningコネクター」を採用していたiPad Proシリーズも、新型でUSB-Cを採用するビッグニュースがあった。この件はヤンCEOの目論みにとっても追い風となりそうだ。

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最終更新:11/9(金) 15:51
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