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創業50年、焼肉で笑顔に 調理場にロボット、ITで業界に変革を 大同門社長・フォーリー淳子さん

11/9(金) 10:59配信

産経新聞

 通訳やIT起業家としてのキャリアを持つ焼肉レストラン「大同門」社長のフォーリー淳子さん(57)。会社に受け継がれる「新しいもの好き」の精神で、外食、焼肉店業界に変革を起こしたいと語る。(聞き手・大島直之)

 --現在は夫のトーマス・フォーリーさんの姓を名乗っていますが、起業家時代は旧姓で仕事をされていたそうですね

 フォーリー 自分の実家の家業が大同門であることは、特に公表していませんでした。起業家として生きているのに大同門の娘と言われたり、ブランドを頼っていると思われたりするのが嫌だったからです。このことを知らなかった人は多く、「大同門の娘さんだったのですね」と後で驚かれることもありました。

 --大同門の買い戻しと合わせ、平成22年、自らが社長になる決断をしました

 フォーリー 会社をファンドから買い戻せる見通しがたち、起業した会社の経営も軌道に乗ったこともあり、創業家の長女として、自分が大同門の社長になりました。一度売った会社を買い戻せるケースは極めて珍しいそうで、投資ファンドや、担当した弁護士らからも「相当幸運だ」と言われています。

 --いつかは買い戻そうと考えていたのですか

 フォーリー 当初から、創業家はできることなら買い戻したいという考えを表明していました。ファンド側もその後の事業継続性を考慮し、会社を売り抜けるよりも買い戻す意思がある創業家に持ってもらった方がいいと思ってくれたのでしょう。飲食業のサービスを支えるのは人です。従業員らのモチベーションも考えてくれたようです。

 --起業家精神は、大同門に受け継がれているDNAからくるものでしょうか

 フォーリー 創業50周年セレモニー用に動画を作る際、過去の記録をいろいろ引っ張り出したところ、テレビインタビューを受ける昔の父の映像が出てきました。父は「新しいものでなければやる意味はない」と言い切っていた。これを見て、会社にも私自身にもベンチャー精神が息づいていると感じました。

 --大同門も焼肉弁当などの大ヒットの一方、実は失敗も多かったとか

 フォーリー 大同門は焼肉だけでなくデリ総菜、カフェレストラン、パンケーキなど新しい業態に挑戦したこともありましたが、すべて失敗しました。それでもパンケーキのように、その後にブームになったものもある。当時は早すぎたのかもしれません。常に新しいことに挑戦するDNAは受け継いでいきたいと考えています。

 --すでに新しい一手を打ち出しているそうですね

 フォーリー 新しい大同門の姿として、ブランド牛の希少部位を食べられるバル形式の肉料理店「肉バルDOMO」の北浜店、天満橋店を出店しました。また、4月からはインターネット通販で肉やタレの販売も始めてます。最盛期に50店以上ありました。現在は直営3店肉バル2店ですが、今後は店舗数も増やしていきたいと考えています。

 --IT起業家の経験やノウハウを外食業界、焼肉チェーン業界でどのように生かしていきますか

 フォーリー 当社が先駆けとして業界を変えていければいいと考えています。タブレット端末を使ったセルフ注文がようやく浸透しつつありますが、さらにITを使った先進化に取り組みたい。マーケティング、現金のいらないキャッシュレス決済、調理場へのロボット導入など、やってみたいアイデアはたくさんあります。厳しい競争が続く外食業界ですが、ITテクノロジーも活用しながら新しい挑戦を続けていきたいと考えています。

      (おわり)

     ◇

 フォーリー・じゅんこ 昭和36年11月生まれ、京都市出身。神戸女学院大学卒業。大阪府庁で知事付け通訳などを務め、その後、IT関連会社などを起業。平成22年、父親の西村義博さんが創業した「大同門」社長に就任した。

最終更新:11/9(金) 10:59
産経新聞

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