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「一帯一路」事業また中断 マレーシアの港湾開発で

11/9(金) 16:13配信

産経新聞

 【シンガポール=吉村英輝】中国がマレーシアで進める港湾開発事業「マラッカ・ゲートウエー」の建設作業が中断していることが、9日までに分かった。財政再建のためマハティール政権が中止表明した中国案件に、同事業は含まれていない。だが、中国側は業者らへの支払いを停止し、現政権の出方をうかがう姿勢だ。巨大経済圏構想「一帯一路」へ国際社会から猜疑の目が向けられはじめている中、中国が慎重姿勢に転じた可能性がある。

 同港湾事業は、マレー半島南西の古都マラッカ沿岸に3つの人工島を造成し、東京ディズニーリゾート13個分以上の1366ヘクタールに、貿易拠点や観光、商業施設などを造る複合開発計画。投資額430億リンギット(約1兆1700億円)で、2025年の完成予定。現地開発業社KAJDと中国国営の中国電建集団の子会社が、16年に共同出資で契約し、埋め立て工事などを進めてきた。

 だが、7日のマレーシア華字紙、東方日報(電子版)によると、建設作業は今年10月18日から中断。賃金未払いを理由に中国人労働者は帰国し、現地労働者も解雇された。影響を受けた労働者は200人以上という。

 仕事を請け負った建設業者は、数億円以上の売掛金を開発業者に求め、一部は法的措置に移行。資材運搬などを行ってきた船会社への未払いは7カ月以上で、運搬作業は1カ月以上停止しているとした。 

 開発業者側は、同紙や中国メディアに、資金繰りや許認可問題を解決するため作業を3カ月間暫定停止したと説明。ただ、本当の中断理由は「マレーシア新政府の方針が分からないため」と証言した。マハティール首相が、中国への債務返済が不可能だとし、中国がマレーシアで進めていた、東海岸鉄道やパイプラインなどの大型事業の建設中止を発表したためだ。

 マラッカ・ゲートウエーについて、マラッカ州首相は9月、「最初の人工島の埋め立てが来年末にも完了する」と、計画中止の観測を否定した。

 だが、マハティール氏は政権奪還前、同事業が「主権を侵害する」と批判した経緯がある。事業計画や採算性に不透明な部分があることから、一部の専門家が「中国はマラッカの深港を利用し、自国の潜水艦などのための軍事基地化を視野に入れている」と指摘するなど、中国の真意への懸念もつきまとっている。

最終更新:11/9(金) 20:21
産経新聞

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