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世界経済の堅調を反映する中間決算 貿易摩擦の影も

11/9(金) 20:14配信

産経新聞

 9日にピークを迎えた3月期決算企業の9月中間決算発表で、上場企業の好業績が鮮明となっている。堅調な世界経済や円安などで経営環境が改善し収益拡大に寄与している。ただ世界経済は米国の金利上昇などを背景に成長の頭打ちが予想されるほか、米中貿易摩擦の行方も見通せない。企業は先行きの業績悪化に対する警戒感も強めている。

 「高成長のアジアで住宅ニーズを取り込めた」。三井不動産の佐藤雅敏常務は9日に発表した通期予想の上方修正で、最終利益を100億円引き上げる原動力となった海外事業の好調ぶりに相好を崩す。

 堅調な世界経済が生み出す国内外の需要が好決算を演出している。アジア市場で販売好調のスズキのほか、ヤマトホールディングス(HD)も「今後も(宅配便の)単価上積みを見込む」(芝崎健一専務)として、通期予想を上方修正。西武HDは訪日外国人客の増加で営業利益が過去最高だった。

 円安も業績を後押し。みずほ証券によると、3月期決算の上場企業の約半数が為替レートを1ドル=105円以下に設定しているが、足元の円相場は同110円前後。トヨタ自動車は6日、為替レート見直しを理由に業績予想を上方修正し、2年連続で過去最高の売上高を見込む。

 ただ足元の力強さには陰りがみられる。三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、第2四半期(7~9月)での経常利益が市場予想を上回った企業は全体の47%で6年ぶりの低水準だ。また同証券の渡辺篤クオンツアナリストは「好決算企業でも通期予想の上方修正が少ない」と指摘する。

 企業側が身構えるのは世界経済の失速だ。国際通貨基金(IMF)は10月、来年の世界の実質経済成長率を今年7月予想から0・2ポイント引き下げた。利上げによる米経済の減速に加え、新興国からの資金流出懸念もくすぶり、渡辺氏は「牽引(けんいん)役の海外需要が鈍れば業績悪化は避けられない」と警鐘を鳴らす。

 米中貿易摩擦への警戒感も強い。「競合も含め在庫が積み上がっている」(マツダの青山裕大(やすひろ)常務執行役員)「顧客が設備投資に慎重だ」(三菱電機の皮籠石(かわごいし)斉(ただし)常務執行役)。決算会見では懸念の声が相次いだ。「(競合しない)高速エレベーター事業などを強化する」(日立製作所の西山光秋専務)と事業展開にも影響を及ぼそうとしている。

 来年予定の消費税増税を前に、国内の個人消費も楽観できない。丸井グループの佐藤元彦専務執行役員は「過去の増税をみれば、激しい駆け込み需要の後、消費低迷が長期間続く」と危惧。みずほ証券の三野(みの)博且(ひろあき)シニアストラテジストは「来年以降、各業界は大幅な需要減に直面する可能性がある」と危ぶんだ。

最終更新:11/9(金) 22:52
産経新聞

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