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サイバー法案成立なるか 逃せば五輪対策に影響

11/9(金) 20:41配信

産経新聞

 今臨時国会で、サイバー攻撃への対策を強化するための「サイバーセキュリティ基本法改正案」の行方が注目されている。2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、官民で情報を共有する協議会の設置が柱で、政府は来年4月の発足を目指す。ただ、12月10日に会期末を迎える今国会の審議日程は窮屈だ。成立を逃せば五輪対策に支障が出る恐れがあるだけに、“隠れた重要法案”となっている。

 協議会は、政府関係機関や地方公共団体、ガスや電力などの重要インフラ事業者、サイバー関連事業者などで構成し、事務局を政府の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)に置く。

 サイバー攻撃は同じ時期に広い範囲で発生することが多く、被害拡大を防ぐには迅速な情報共有が不可欠だ。しかし、民間企業は信頼や経済活動への影響を恐れて情報公開をためらったり、社内だけで処理したりするケースもあり、匿名性を確保しながら通報、対応する仕組みが求められる。

 このため、改正案では、協議会メンバーに守秘義務を課し、企業に情報提供を促す。違反した場合の罰則も設ける。また、対策が進む米国では情報共有を促す仕組みが2015年に法制化されており、そうした海外の行政機関などとの連携も求めている。

 五輪対策に万全を期すためには来年4月に協議会を発足させる必要がある。加えて来年は20カ国・地域(G20)首脳会議やラグビーワールドカップなど人が集まる機会が多く、サイバー攻撃のターゲットになりやすい。対策が後手に回れば、サイバー攻撃への対処に取り組む国際的な連携を乱し、信頼の失墜につながりかねない。

 だが、今国会は安倍晋三首相の外交日程が立て込み審議日程が窮屈な上、改正案を審議する衆参両院の内閣委員会は、来年5月の改元にあわせて10連休とする天皇即位日休日法案や、国家公務員給与法改正案などを抱える。政府関係者は「今国会で成立しなければサイバー政策の優先度が低いと思われかねない」と気をもむ。

 また、改正案を担当する桜田義孝五輪相は野党追及の矢面に立たされているだけに、与党内には円滑に審議を進めるため、サイバーセキュリティ基本法を主導した平井卓也科学技術担当相の答弁起用を求める声も出ている。(大橋拓史)

最終更新:11/9(金) 22:46
産経新聞

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