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元女性経営者が創設の「谷口杯」 佐田三段が優勝

11/9(金) 20:55配信

産経新聞

 勝ち星に恵まれない囲碁の若手棋士や、アマチュアを対象に、賞金や対局料での経済支援を目的とした「第3回谷口杯」本戦トーナメント決勝戦が9日、大阪市中央区の関西棋院で打たれ、佐田篤史三段(22)が優勝した。「日の当たらない若手を少しでも支援したい」との主催者の思いから、優勝者だけでなく、本戦1回戦で敗れても対局料が支払われるほか、決勝戦後には参加者全員で懇親会も行われる珍しい大会だ。

 谷口杯は、神戸を中心に服飾雑貨店を展開する「株式会社K・T」の創業者で元デザイナー、谷口公代さんがスポンサーを個人で務めている。谷口さんは囲碁の愛好家。多くの囲碁教室に足を運ぶうち、若手棋士やアマチュアが厳しい現実にさらされているのを知るようになった。

 棋士は勝たなければ対局が減り、収入は上がらない。努力が結果につながらず、勝ち星に恵まれない若手棋士の中には、アルバイトをして収入の足しにする人もいる。また、プロの道を断念して囲碁インストラクターをするアマチュアも多いが、教室だけでは厳しいこともあるという。

 谷口さんはこうした若手棋士やアマチュアを支援しようと平成28年10月に関西棋院に「谷口基金」を設立。低段の棋士を支援する奨学金制度を設けた。その一環で、谷口杯も同時にスタートさせた。囲碁の大会の多くは参加費が必要だが、谷口杯は無料。第3回の本戦の賞金は優勝が100万円、準優勝は40万円などで、本戦は1回戦で敗れても対局料2万円が支払われる。

 本戦には、9月に行われた予選を勝ち抜いたアマチュア8人と、三段までの関西棋院所属棋士8人が参加。本戦は10月からこの日にかけて行われた。ベスト4は棋士が占め、決勝戦は、佐田三段が谷口徹三段(22)との熱戦を制した。

 決勝戦後には、表彰式を兼ねたパーティーが大阪市中央区の中華レストランで開催された。「勝った人も負けた人もねぎらい合える場を提供したい」と、谷口さんが全出場者を招待し、約30人が参加した。

 谷口さんは表彰式のあいさつで「なかなか勝てず、賞金もほとんど得られない若い人の励みになればとやってきた」と開催趣旨を述べた上で「賞金は両親や祖父母にごちそうしたり、海外遠征費用などに充てたりしてほしい。若手から世界に向けて活躍するスーパースターが誕生してほしい」と期待を込めた。

 佐田三段はあいさつで「両親やお世話になった方々にいい報告ができる」と笑顔を見せ、谷口さんに感謝の言葉を述べた。賞金は、若手棋士仲間で囲碁の研究に使用するため、高性能のパソコンを購入したいという。

最終更新:11/9(金) 20:55
産経新聞

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