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玉城デニー沖縄知事 独自色も辺野古阻止の道筋描けず

11/9(金) 21:06配信

産経新聞

 沖縄県の玉城デニー知事の動きが慌ただしい。今月は2回上京し、10日には那覇市内で岩屋毅防衛相と会談し、11日からは米国に向かう。就任から1カ月が過ぎ、翁長雄志前知事との違いも見せるが、公約に掲げた米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設阻止への道筋を描き切れているわけではない。玉城氏を支える勢力からも不満が漏れ始めている。

 「緊張して、だんだんピクピクする」

 玉城氏は9日、日本外国特派員協会での記者会見を前に、自身の頬を指さして出席者を笑わせた。玉城氏を特徴付けるのはソフトなイメージの演出だ。

 政府と激しく対立した翁長氏と異なり、玉城氏は対話を重視する。9日には杉田和博官房副長官と謝花喜一郎副知事が辺野古移設をめぐり都内で会談した。玉城氏と菅義偉官房長官が合意していた政府と県による協議の初回で、玉城氏は9日の記者会見で「対話によって解決策を求めることが重要だ」と強調した。

 だが、政府は移設工事を進める姿勢を崩しておらず、玉城氏が辺野古での土砂投入を阻止することは難しい。革新政党を中心とした「オール沖縄」の支援を受けた玉城氏にとって、政府との対話はもろ刃の剣でもある。

 玉城氏擁立の中心となった県議は「対話する前に辺野古で座り込みをするぐらいでないと政府になめられる」と厳しい。10月16日の県議会で所信表明を行った際は、基地問題に割かれた時間が短いとして地元紙・琉球新報の批判を浴びた。

 このためか、玉城県政は強硬な一面を併せ持つ。辺野古埋め立ての土砂を搬出する本部港をめぐり、本部町は今月1日、管理者の県と協議の上で防衛省の使用申請を受理しなかった。翁長県政では認められていたが、反基地団体はこれを批判していた。

 申請受理を拒否した理由は9月の台風による損壊だが、県は応急工事を行っていない。関係企業は応急工事を要請したが、県側は「他の被災施設も応急工事していない」と拒否した。政府関係者は「地元経済も巻き込んで辺野古移設を妨害しようとするのは異常だ」と憤る。

 政権交代を目指す姿勢を明確にしているのも、自民党出身の翁長氏とは対照的だ。県内では知事選と市長選でオール沖縄候補が3連勝している。玉城氏は「国政選挙での野党共闘の足がかりになる3つの選挙戦の勝利だった。政権交代につながるのは『衆参ねじれ』を起こさせることだ」と述べ、来年夏の参院選での野党共闘に期待を込める。

 ただ、沖縄での野党共闘が国政に直結する保証はない。オール沖縄内では「共産党は反対だけして運動が盛り上がればいいが他は違う」(県議)との声もあり、沖縄の結束も盤石とは言い難い。(杉本康士、千田恒弥)

最終更新:11/9(金) 21:06
産経新聞

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