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記憶、教訓を後世に 大熊の原子力センター

11/9(金) 9:27配信

福島民報

 福島県は八日、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故直後の状況がほぼそのままになっている大熊町の県原子力センターで、震災関連資料の収集活動を行った。物品は双葉町中野地区に整備する震災と原発事故のアーカイブ(記録庫)拠点施設に展示し、後世に記憶や教訓を引き継ぐ。震災後、センターを報道機関に公開するのは初めて。
 県原子力センターは第一原発から約五キロの場所にある。事故直後の二〇一一(平成二十三)年三月十四日夜まで県や国の職員が第一原発周辺の放射線量を監視する拠点となった。公開された部屋には事故直後の原発周辺の線量を記した黒板や、職員が食べた非常食のごみなどが手つかずのまま残っている。
 県から業務委託を受けて活動している福島大の担当者が、解体後も部屋を再現できるよう机や物品の置かれた状況を図面に書き起こした。「水素爆発 モニタリング中止 撤収せよ」と書き込まれたホワイトボードなど、今後持ち出す物品の放射線量を測定した。
 資料収集に当たった福島大うつくしまふくしま未来支援センターの深谷直弘特任助教は長崎原爆の記憶の継承を専門に研究してきた。「福島第一原発事故は広島や長崎の原爆と違い、国単位の問題として捉えられていない面がある」と指摘。「当時の状況を残して世界と共有し、風化を防ぐ必要がある」と語った。

福島民報社

最終更新:11/9(金) 9:47
福島民報

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