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米中間選挙、下院民主党勝利で貿易戦争がかえって悪化?今後の経済はどうなる?

11/9(金) 11:40配信

THE PAGE

民主党の協力を得やすい分野で政策を推進か

 注目されていた米中間選挙は、野党民主党が8年ぶりに下院を制し、上院と下院で多数派が異なる、いわゆる「ねじれ議会」となりました。今回の選挙は経済にどのような影響を与えるのでしょうか。

 米国は厳格な三権分立制度となっており、大統領をトップとする行政府には法案を提出する権限も、予算を策定する権限もありません(予算については行政からの要望を議会に示す「教書」という形で行政府側の意向を反映させます)。一方、行政府側は議会とは独立して各種の政策を遂行できるという面もあります。

 このため米国では、大統領が新しい政策を実行する場合、議会と協力して議会に法案を通してもらうか、大統領令など議会の束縛を受けない範囲で独自に実行するのかのどちらかとなります。

 今回の選挙で民主党が下院の過半数を制したことから、立法措置が必要な政策については、民主党との妥協が必要となります。移民に対する処遇といった分野では、トランプ氏と民主党の対立が激しいですから、トランプ氏が望む「反移民」といった保守的な政策は進めにくくなるでしょう。

 そうなってくるとトランプ氏は、民主党との協力を得やすい分野で、かつ米国第一主義に合致する政策をより強力に推進してくる可能性が高いと考えられます。

中国との貿易戦争が長期化するおそれも

 民主党の協力を得やすい分野としては、通商政策やインフラ投資などが考えられます。トランプ氏は共和党ですが、共和党の主流派の多くは自由貿易主義者であり、本当はトランプ氏が掲げる保護主義には賛成していません。一方、民主党には一定数、保護主義を掲げる議員が在籍しています。中国や日本を標的にした保護主義的な通商政策は実は民主党の協力を得やすいのです。

 インフラ投資も同様です。共和党は伝統的に財政均衡主義者が多く、大型の財政出動は民主党に支持者が多いという特徴があります(いわゆる大きな政府と小さな政府)。トランプ氏は中間選挙後の記者会見において、早速、日本の貿易黒字に対する不満を表明するなど、通商問題に力を入れる姿勢を示すとともに、インフラ整備では民主党の協力を得たいと述べています。

 保護主義がさらに加速すれば、中国との貿易戦争が長期化し、経済にとっては確実にマイナスとなります。一方、インフラ投資は規模にもよりますが、景気にはプラス要因です。当面はどちらの影響が大きくなるのかを見極めるフェーズということになるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:11/9(金) 11:59
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