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進化し続ける札幌。ACL初出場へ、ミシャ流の超攻撃的スタイルで浦和に勝つ

11/9(金) 14:10配信

GOAL

アジア行きも射程圏に

北海道コンサドーレ札幌は、今季の明治安田生命J1リーグですでに2季連続の残留を決め、残り3試合でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得を目指している。今節対峙するは、同じくACL出場へ逆襲を期する浦和レッズ。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督にとって、今季2度目の古巣戦。前回対戦ではスコアレスドローに終わったが、超攻撃的サッカーの熟成を着々と進める札幌が、今回はどんな戦いを見せるのだろうか。

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札幌は前節、ホームでベガルタ仙台と対戦。終盤にGKク・ソンユンがPKをストップする大仕事をやってのけ、三好康児が決めた1点を守り切り、5月5日の第13節以来となる無失点勝利。勝ち点を51へと伸ばし、目標であるACL出場圏内である3位へ再浮上した。

6日に試合を行った鹿島がすでに勝利しているため、現時点では暫定的に順位を下げているものの、この浦和戦で勝利すれば再び3位の座に返り咲く。クラブ史上初となる2季連続のJ1残留を決めたチームが、勢いそのままに今度はACL出場権を射程圏に捉えている。

札幌といえば、なんとかJ1に昇格してもわずか1年でJ2に逆戻りする、いわゆる“エレベータークラブ”というイメージがあったように思う。だが今季は、前述のように初の2季連続残留を果たしたどころか、アジアへの切符までもが手の届く位置にある。大躍進とはまさにこのこと。クラブとしての新たな歴史を刻んでいる最中だ。

躍進の立役者。ミシャの目指すサッカーとは

その立役者は、今季から就任したミハイロ・ペトロヴィッチ監督である。ミシャの愛称で名を馳せる指揮官は、過去に広島、浦和を率いて攻撃的なパスサッカーでともにJ1の上位へと導いた名将だ。そのミシャは、札幌の監督就任時に「超攻撃的サッカーを目指す」と放っていた。

ただし、間違ってはいけないのは、札幌でのミシャは単に広島や浦和でやってきたことを繰り返して結果を得ているわけではないということだ。札幌での“ミシャスタイル”というものが確かに存在しているように感じる。「感じる」と断定を避けたのは、なにしろミシャの札幌でのチーム作りがまだ10カ月程度だから。「クラブとは長期的なプロジェクトを共有している」(ミシャ)としており、今季はまだその序盤にすぎないということを本人は常に強調している。

そうした前提で今季の札幌を見ていくと、攻撃時にボランチの1枚が最終ラインへ下りて3バックから4バックへと変動するやり方は浦和時代の手法と変わらない。だが、今季中盤からはボランチ2枚が後方に下がり、3枚でボールを動かして数的優位を保ちながらセンターバックやウイングバックをより高い位置へと押し出す戦術も取り入れている。

また、攻撃時にはショートパスのコンビネーションによる突破を試みることが浦和時代は多かったように思うが、「『前に蹴ったほうが効果的だと思ったならば、シンプルに蹴りなさい』と言われている」と選手たちが話すように、札幌ではシンプルにボールを敵陣に運び、イーブンボールが相手に渡ったとしてもハードワークで奪い返して再び攻撃を仕掛けるという、本質的なプレーをきっかけにして主導権を掌握するような試合もよく目にする。

アタッキングサードに進入してからは、テクニカルに崩すというよりもジェイや都倉賢、チャナティップといった個のパワーを持った選手の特徴を引き出して、力技でフィニッシュに持ち込む場面のほうが多い印象だ。

さらにミシャは言う。「医師免許を取っただけでは、医者は医療行為を続けることはできない。医学や薬は日々進化する。サッカーの世界も同じ。常に学び、進歩をしなければこの世界では生き残れない」。

昨年夏に浦和指揮官の任を解かれてから、ミシャはホッヘンハイム(ドイツ)などの練習を見学し、現代サッカーのトレンドを再注入した。もちろん札幌には前述したように都倉やチャナティップら個性的な選手がいるということもあるが、ミシャのサッカースタイルというものも日々、進化しているということなのだろう。そして、その成果が札幌の大躍進へとつながっているのではないだろうか。

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最終更新:11/9(金) 14:10
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