ここから本文です

虐待・ネグレクト…幼少期のつらい体験が、現在の子育てをつらくする理由

11/9(金) 20:45配信

All About

◆なぜかわいいわが子を叩いてしまうのだろう?

子どもにひどい攻撃をしてしまうお母さんのすべてが、子どもを嫌っているわけではありません。むしろ、子どもに恵まれたことに感謝し、幸せを願って子育てに取り組んでいる方の方が多いと思います。

でも、子どもが泣き叫ぶ声を聞くとなぜか苛立ちが止められず、攻撃的な行動をしてしまう……。そして、あとから自分のしたことを振り返り、「なぜこんなにひどいことをしてしまったのだろう」と頭を抱えている方が少なくありません。

そんな複雑な心理には「赤ちゃん部屋のおばけ」という現象が関係しているかもしれません。「赤ちゃん部屋のおばけ」とは、米国の児童精神科医 フライバーグによることばですが、もちろん、怪奇現象やゴーストとは何の関係もありません。では、「赤ちゃん部屋のおばけ」とはどのような現象なのでしょう?

◆幼少期のつらい体験が、現在の子育てをつらくする

赤ちゃんと2人きりで密室の中で過ごしていると、絵にかいたような「安らかな育児」などありえません。多くの母親が、抱っこしてもあやしても泣き続ける子、片づけたそばから汚していく子に苛立ち、叫びたくなるような心境を経験しているものと思います。

しかし、多くの母親は「思い通りにいかないのが子育て」と割り切り、家族や地域の子育てサポートを上手に利用しながら、適度な範囲で子育てをしています。そんな大らかさやバランス感覚を持てるのも、自分自身が苛立ちや葛藤を受容され、物事を大らかに捉える術やバランス感覚を教えられてきた結果であることが大きいのです。

一方、幼少期に虐待などのつらい仕打ちを受け、周囲に対してうまく心を開けないでいる母親はどうでしょう? 育児ストレスを乗り越えるための大らかな考え方やバランス感覚をなかなか伸ばすことができません。そのため、育児ストレスを1人で抱えながら、むずかる赤ちゃんを持てあまし、密室の中で頭を抱えてしまう現象が起こりやすいのです。

◆「おばけ」に取り憑かれたように、わが子を攻撃してしまう

このような状況のなか、赤ちゃんと2人きりで過ごしていると、子どもが自分に敵意を向けているように感じられたり、母親の自分から愛されているのをいいことに、わがまま放題をしているように見えてしまうことがあります。

そして、「私がこんなに頑張っているのに、どうしてあなたは私を困らせるの!?」「幼い頃の私より何倍も幸せなはずなのに、これ以上何をしてほしいの!?」と思考が極端な方向に暴走してしまいます。こうしてわが子に対して衝動的に怒りの感情が湧き、とっさに攻撃してしまいます。この現象を「赤ちゃん部屋のおばけ」と呼びます。まるで赤ちゃんの部屋に目に見えない「おばけ」が潜んでいて、そのおばけに取り憑かれて攻撃してしまったように感じられるためです。

では、こうした「赤ちゃん部屋のおばけ」の危機を感じたとき、どうしたらいいのでしょう? 

1/2ページ

最終更新:11/9(金) 20:45
All About

あなたにおすすめの記事