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ロン・ウッドのレイドバックを楽しみたい『俺と仲間』

11/9(金) 18:02配信

OKMusic

ロン・ウッドは野心のないミュージシャンだ。自分の音楽にドラマチックさは盛らない。ただただ、自分が楽しいと思えるロックを素直に演奏する、僕はそれがロン・ウッドだと思っている。フェイセズやザ・ローリング・ストーンズのメンバーとして活動する時も、ソロとして活動する時もスタンスは同じようにしか見えない。今回は彼のミュージシャンとしての資質がよく分かる彼の初ソロアルバム『俺と仲間(原題:I've Got My Own Album to Do)』を取り上げる。熱心なファン以外に話題になることは少ないが、このアルバムを聴かなくちゃ損するよ。

スモール・フェイセズからフェイセズへ

1965年にロンドン東部で結成されたスモール・フェイセズは、スティーブ・マリオットの黒っぽいヴォーカルが売りの、R&Bをベースにしたビートグループであった。当時イギリスで流行していたモッズ(乱暴に言えば日本の暴走族と似ている)たちのお気に入りはマニアックなR&Bで、そこにぴったりはまったグループがスモール・フェイセズだった。しかし、日々ロックが進化していた60年代中期以降、一部の熱狂的なファンはいたものの、オリジナリティーという意味ではストーンズやビートルズの創造性には及ばず、トップグループにはなれずにいた。ライヴでは圧倒的なパフォーマンスで観客を魅了したのだが、ヒット曲を作るためのスタジオ作業に嫌気が差したマリオットは、真のロックを求めてハンブル・パイを結成するために脱退する。

その頃、ジェフ・ベック・グループにいたロッド・スチュワートとロン・ウッドはスモール・フェイセズからマリオットが脱退したことを知り、グループのメンバーである旧知のロニー・レインとコンタクトを取り、ふたりの参加が決まった。当時、ジェフ・ベック・グループは『トゥルース』(‘68)『ベック・オラ』(’69)の2枚の名作を生み出していたが、ロン・ウッドは『トゥルース』リリース後のツアーで一度ベックから解雇されていたし、そもそもジェフ・ベックのきっちりした音作りとロン・ウッドの大らかな音楽性は相入れるはずがないのである。そんなこともあって、ロン・ウッドとロッド・スチュワートはスモール・フェイセズに加入、それを機にスモール・フェイセズはフェイセズと改名する。

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最終更新:11/9(金) 18:02
OKMusic

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