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社説[携帯電話の値下げ]納得できる料金設定を

11/9(金) 7:30配信

沖縄タイムス

 NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話大手3社が、通信料金の引き下げの検討を相次いで表明し、足並みをそろえた。

 ドコモは来春から月々の料金を2~4割引き下げる方針を示したが、3社とも具体的な料金プランの設計はこれからとなる。

 携帯市場を巡っては、3社の寡占状態が続き、その影響もあって料金が高止まりしているとの指摘がなされてきた。料金の割高感と複雑な料金プランには消費者の不満が根強くある。3社には利用者が納得できる低料金やプランを示してもらいたい。

 今回の値下げの動きは、携帯事業者が利用者とのコミュニケーションなどを通して自発的に取り組んだ結果とは言い難く、その点、残念だ。

 菅義偉官房長官が8月に「4割程度値下げできる余地がある」と発言したことが契機となっている。政府はその後、料金問題についての有識者会議を設置し、料金プランや、3社と格安事業者との競争のあり方について議論を始めるなど、値下げを主導してきた。

 事業者は「自主的な判断」と強調するが、政府の圧力に屈して値下げに追い込まれたように映る。民間企業の経営に政府が手を突っ込むことは好ましいことではない。だが今回も賃上げなどと共に、経済界への「口先介入」の前例を増やす結果になった。

 この経過について事業者は、これまで利用者の不満に向き合い、誠実に対処をしてこなかった結果だと真摯(しんし)に受け止めるべきであろう。

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 良好なサービスの維持や、欠かせないインフラとして災害へ十分に備えるため、事業者は巨額の資金が必要になる。現在は高速大容量の第5世代(5G)移動通信システム向けの投資などもかさむ。料金水準はその反映という説明に一定の説得力はある。

 しかし、携帯事業者のもうけすぎ批判や利用者への利益還元を、との声は、事業者の高い利益水準から考えると、決しておかしくはない。利益の主たる源泉は利用者が払う通信料金であるからだ。

 サービスの維持向上に向けた投資と通信量の低減の実現-。二つをバランスさせることが事業者の課題となる。

 通信料を低減させるには、競争が起きることが大事だ。KDDIは携帯事業に参入する楽天との提携を発表した。参入で競争が活発化し、料金低下とサービス向上が進む。そんな循環が持続するような環境づくりが求められる。

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 料金プランごとに決められているデータ量と、利用者が実際に使うデータ量のミスマッチの解消も、料金低減に効果がありそうだ。

 そのためには料金体系を簡素化し、利用者が吟味して自ら選んでプランを選べるようにする必要がある。事業者はミスマッチが分かるはずで、適切なプランに変更するよう利用者に促すことも積極的にしてもらいたい。

 利用者には、自分に適した事業者やプランを見極めるため知識を得ることも欠かせない。ただ値下げされるのを待つ受け身の姿勢は改めたい。

最終更新:11/9(金) 7:30
沖縄タイムス

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