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基隆市、日本時代の木造建築を修復・再利用へ 1カ月内に2カ所目/台湾

11/10(土) 11:31配信

中央社フォーカス台湾

(基隆 10日 中央社)北部・基隆市で7日、日本統治時代から残る木造建築「基隆要塞司令官邸」の修復に向けた起工式が行われた。同市が進める、基隆港東岸の大沙湾地区を中心とした大規模な史跡の修復、再利用プロジェクトの一環で、付近にある旧日本軍の士官宿舎「基隆要塞司令部校官眷舎」の修復工事も10月31日に始まったばかり。林右昌市長は、引き続き同地区の整備を進める意向を示し、点在する歴史スポットをつなげることで、北部で最も見ごたえのある文化地帯が形成されることに期待を示した。竣工予定は2020年6月。

同市文化局によると、基隆要塞司令官邸の建物は当時の企業家、流水偉助氏の住宅として1931(昭和6)年に建てられたもの。流水氏は1921(大正10)年に乗合馬車の「流水バス社」(後の基隆乗合自動車株式会社)を設立して財を成した人物。同社の所在地は現在、路線を引き継いだ基隆市公共汽車(バス)管理処となっており、その向かい側に位置する邸宅は、床の間や押し入れ、天袋などがある典型的な日本家屋だった。

戦後、国民党政権が旧日本陸軍の基隆要塞を接収して基隆要塞司令部を設立。司令官邸が戦時中の空襲で失われてしまったことから、付近にあった流水邸がその役割を担った。基隆要塞司令部は1957年に廃止され、司令官邸に入居していた最後の司令官が77年に李氏という人物に邸宅を譲渡したことから「李宅」とも呼ばれる。司令官邸は2006年、基隆要塞司令部は2010年に同市の古跡に指定されている。

(王朝ギョク/編集:塚越西穂)

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