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【岩政大樹 オン・ザ・ピッチ】自分で決める「もういい」は最高の終わり方

11/10(土) 11:03配信

スポーツ報知

 プロサッカー選手としてプレーできる選手の数は限られています。毎年100人以上の選手がプロの舞台に挑戦してきて、その代わりに同じ数の選手がやめていきます。

 先月私も引退を発表しましたが、この数週間のうちにも森崎和幸選手や川口能活選手ら何人かの引退が発表されました。この時期に続くように引退の発表が行われることは、これまであまりなかったので「引退ラッシュ」との印象をもたれる方も多いかと思いますが、私は「自分で引退を決められる選手」が増えてきたと感じました。

 以前はベテラン選手への風当たりが強く、戦力外通告を受け移籍先を探したけど見つからず、仕方なく引退を迎えるという選手が多くいました。しかし、この時期に発表される引退はそれとは全く別のもの。シーズンをまだ残している中での引退発表は、シーズンを通して葛藤してきたこと。そして、所属クラブと引退へ向かう道をともに考えてきたことを示しています。

 選手はベテランになろうともベテランとして扱われることを嫌います。「あの年であれだけやれるのはすごい」。よく聞かれる“褒め言葉”ですが、その言葉自体が自分への期待値を下げられているようで、プロ選手として納得いかないもの、納得してはいけないことという認識になります。そこから考えると、ベテラン選手の「引退」とは、その年齢にあらがうことを「もういい」と思った瞬間にやってくるのかもしれません。

 「もういい」の瞬間を誰かに肩をたたかれて迎えるのではなく、自分の気持ちで決められること。それはプロ選手として最高の終わり方でしょう。きれいごとで全てが運ぶわけではない厳しい世界で、それをかなえた選手たちの最後の雄姿は、あらゆる形でクラブにいつまでも残っていく財産となります。(元日本代表DF)

最終更新:11/11(日) 10:52
スポーツ報知

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