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【埼玉経済ウオッチ】上場企業、高い給与水準 県内46社平均は617万6000円

11/11(日) 7:55配信

産経新聞

 東京商工リサーチが全証券取引所の上場企業を対象に有価証券報告書の平均年間給与を抽出・分析した調査(平成22年3月期決算から連続して比較可能な企業が対象)によると、30年3月期決算の全国の上場企業1893社の平均年間給与は620万8千円で、前年よりも6万7千円増えた。

 一方、県内の上場企業46社の平均年間給与は617万6千円で前年より2万1千円増えた。国税庁が発表した28年分の民間給与実態調査(平均給与421万6千円)と比較しても、給与水準が高いことを裏付ける結果となった。全国では22年3月期から8年連続で増加しているが、県内は2年連続のプラスとなっている。

 ◆トップはワコム

 県内の上場企業46社のうち、平均年間給与が前年よりも増加したのは31社(構成比67・4%)で、減少は15社(同比32・6%)だった。平均年間給与の「増加」企業は過去8年でピークを記録した23年の34社と比べると、3社減少している。

 業種別では製造業がトップで629万9千円。次いで金融・保険業が623万4千円、小売業が566万7千円と続いた。製造業では、県内の上場企業全体で1位にもなったワコムの801万1千円がトップ。ペン入力のタブレットで世界シェア首位を誇るメーカーで、30年3月期はブランド製品事業のディスプレー製品やテクノロジーソリューション事業のタブレット・ノートPC向けなどが堅調に推移し、増収増益となった。

 小売業の首位はヤオコーの601万5千円。県内を中心に食品スーパー160店舗(10月現在)を展開しており、30年3月期は29期連続の増収増益となった。情報通信業の首位は太平洋セメント傘下の情報システム会社、パシフィックシステムの550万6千円。30年3月期は機器販売、システム販売、システム運用・管理などが好調に推移して増収増益だった。

 ◆続く上昇傾向

 県内の上場企業では27年に平均年間給与が600万円台を突破、28年はやや足踏みとなったものの、29、30年と2年連続で増加しており、業績好調を背景に上場企業の平均年間給与の上昇傾向が続いている。

 一方、30年10月には県の最低賃金が898円に改定され、29年に続いて全国4位。引き上げ額27円は平成初期のバブル期を含め過去最大となるなど、人手不足に対応した人件費アップと収益確保のかじ取りが重い経営課題となっており、景気拡大の波に乗れない企業は「利益なき成長」に陥る可能性も残している。(土持功・東京商工リサーチ埼玉支店長)

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【プロフィル】つちもち・いさお

 昭和47年、宮崎県生まれ。立正大学卒。平成10年東京商工リサーチ入社。東京支社調査部を経て、27年6月より現職。趣味はサッカー(最近は観戦が主)、ランニング。

最終更新:11/11(日) 7:55
産経新聞

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