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16歳・紀平梨花、日本人初快挙!GPデビューで歴史的大逆転V「自分のほぼ最高の演技」

11/11(日) 6:06配信

スポーツ報知

◆フィギュアスケート GPシリーズ第4戦 NHK杯第2日(10日・広島県立総合体育館)

【写真】記念写真におさまる宮原知子と紀平梨花

 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)5位発進の紀平梨花(16)=関大KFSC=が3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を2本成功させ、154・72点、合計224・31点で、首位との6・58点差を逆転し、初優勝した。GPシリーズデビュー戦での優勝は、日本勢初の快挙。両方で今季世界2位の高得点をマークした。次戦のフランス杯(23~25日)で表彰台に立てば、GPファイナル(12月6~9日、カナダ・バンクーバー)出場が見えてくる。

 「絶対跳ぶ」。紀平は強い気持ちで踏み切った。冒頭に高さのあるトリプルアクセルを成功。続けて3回転トウループを跳び、コンビネーションにしてみせた。「1本目を決めてからも次のジャンプが不安で、焦りで頭がいっぱい」だったが、続く単発のトリプルアクセルは加点3・09点を引き出す美しさ。最初の2本で25・92点も稼いだ。その後もスピンやステップも全て最高のレベル4。完璧だった。

 演技後、両腕を力強く突き上げた。今季ベストを6・15点も更新する合計224・31点。「やらずにはいられなかった」。16歳のヒロインが6・58点の大差を逆転し、日本勢初のGP初出場Vの快挙。「一生、自分の中に残る演技になると思う。自分のほぼ最高の演技。こんなに心からうれしい気持ちは初めて」と笑った。

 SPではトリプルアクセルで転倒。「踏み切りが早い」と気付いた。その日の夜に西日本選手権(3、4日)と今大会の練習映像を見返し、成功のイメージを膨らませて眠った。浜田美栄コーチ(59)は「SPは闘争心が足りなかったので、フリーは強く送り出した」とスイッチを入れ替えさせ、紀平も「闘争心を持てた」。

 元世界女王の浅田真央さんに憧れ、トリプルアクセルに挑戦。小6~中1の頃に練習で初成功した。14歳の時に、ISU(国際スケート連盟)公認大会で決め、世界で7人目の成功者に。ジャンプにはこだわりを持ち、移動時間中、自分の動画はもちろん、浅田さんや五輪連覇の羽生結弦(23)=ANA=のジャンプも研究する。母・実香さんは「ジャンプの成功を楽しんでいた。転んでも全く痛がらないで、どんどん進めていった」と話す。飽くなき探究心が強さの源だ。

 「トリプルアクセルが跳べなくなるのが嫌」と食事もコントロール。昼食と練習後のお弁当を毎朝手作り。食材もスーパーで自分で選び、たんぱく質は牛肉や魚が中心。卵焼きは「すごくうまい」(実香さん)ときれいに焼き上げる腕前だ。大好きなすしのシャリは半分だけ。大会前は菓子を食べない。徹底した自己管理も大技を生み出す秘けつだ。

 ルール変更でGOE(出来栄え点)の加点の幅が広がり、ジャンプの精度がより求められる。フリーで今季世界最高の158・50点をマークしたザギトワと比べると、技術点は紀平の方が3・63点上回る。芸術面やトリプルアクセルの成功率を高めれば、平昌女王を破る日もそう遠くはなくなる。次のフランス杯で表彰台に立てば、GPファイナル出場もほぼ確実。「満足しないで『やってやる』って気持ちを大事に、トリプルアクセルも不安なく踏み切れるように練習していく」。次代のエースが新たな歴史を切り開こうとしている。(小林 玲花)

 ◆女子選手のトリプルアクセル 女子のISU公認大会でのフリー2本のトリプルアクセル成功は、08年GPファイナルの浅田真央さんが初めて。10年バンクーバー五輪でも決め、銀メダルを獲得。紀平はシニア大会では、9月のオンドレイ・ネペラ杯のフリーで初成功。17年のジュニアGPファイナルでは世界初の3回転半―3回転トウループを成功させている。

最終更新:11/11(日) 7:41
スポーツ報知

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