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「拉致問題を風化させないで」荒木和博氏が群馬で講演

11/10(土) 21:30配信

産経新聞

 群馬県安中市松井田町の安中市松井田文化会館で10日、拉致問題講演会(群馬県など主催)が開かれた。政府が認定した拉致被害者17人以外の特定失踪者を調査している荒木和博氏を講師に迎え、来場者に「拉致問題を忘れないことが一番大事。機会がある度に周りの人と拉致問題について話してほしい」と呼びかけた。この日は安中市内で昭和45年に行方不明になった横田道人さん=当時(23)=の妹、真藤真由美さんも姿を見せ、講演に耳を傾けた。

 荒木氏は特定失踪者問題調査会代表を務めており、同会では全国47都道府県で約470人を把握しているという。

 講演会の冒頭、荒木氏は海岸線に柵や警備がない日本は、工作員が船で侵入しやすいと指摘。平成13年12月に海上保安庁の巡視船と銃撃戦をして自沈した工作船の写真とともに詳細な上陸方法を説明した。工作船には捕まったときに自決できるよう自爆装置が付いていたといい、「死ぬ覚悟で来ている人は、日本人を拉致しようが殺そうが、良心の呵責がないのでは」と話した。

 内陸にある群馬県は拉致問題とは関わりがないと思われがちだが、「(北朝鮮は)海岸沿いだけで工作活動を行っているわけではない」と指摘。昭和55年に原敕晁(ただあき)さんを拉致した工作員、辛光洙(シン・グァンス)容疑者が高崎、前橋両市内のパチンコ店に潜伏していたことを示し「侵入してきた工作員は、いつでもどこにでもいる可能性がある」と警鐘を鳴らした。

 拉致問題の解決へ向け荒木氏は、「北朝鮮に対して我々の方から仕掛けていくべきだ」と主張。その一つとして北朝鮮へ向けた短波放送「しおかぜ」を紹介し、真藤さんや大沢正明知事などの音声メッセージを公開した。県外では、島根県で昭和48年に失踪した益田ひろみさん=当時(20)=の母、シゲ子さんの音声メッセージを公開。涙ながらに「もう1度会いたい。放送を聞いたら連絡して」と訴えたシゲ子さんは、娘に会えないまま3年前に亡くなったという。荒木氏は特定失踪者の家族の高齢化が進んでいるといい、「時間がない。情報を発信し世論の関心を高めて、事態を前に進めていきたい」と力を込めた。

 講演後の記者会見では「県内にも特定失踪者がいるということが広まれば、『他人事ではない』という県民の意識が高まるのでは」と述べた。

 荒木氏は12日、特定失踪者の家族と共に拉致問題担当大臣に就任した菅義偉官房長官と面会するという。

最終更新:11/10(土) 22:36
産経新聞

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