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【岡山から伝えたい】豪雨で使わなかった「陸こう」実用性に疑問も 重い鉄板、訓練もできず

11/10(土) 14:00配信

KSB瀬戸内海放送

 7月の西日本豪雨で地域の4分1が水没し、51人の死者が出た倉敷市真備町。どうすれば被害の拡大を食い止めることができたのか。堤防決壊のメカニズムや住民の避難行動の検証が進む中、あまり目が向けられていないのが可動式の堤防「陸こう」の存在だ。真備町には、3カ所の陸こうがあったが、いずれも使われることがなく水があふれた。地元テレビ局のKSB瀬戸内海放送が伝える。

川の氾濫を食い止める「陸こう」が使われず

 「陸こう」とは、川や海が増水した時にゲートが閉まり堤防の役割を果たすもので、岡山県が管理している陸こうは、380カ所以上。そのうち道路に設置されているものが5カ所ある。
 川と道路が交差しているため、土手が途中で途切れている場所にあり、鉄板や土のうを積むことで堤防と同じ高さになり、川が氾濫するのを防ぐ。

 倉敷市真備町の有井地区にある陸こうは、溝に金属の板などを入れ、間に土のうを積むことで水をせき止めるタイプのものだ。
 しかし、西日本豪雨ではこの陸こうが使われることはなく、堤防は大きく削られ、橋も崩れてしまった。

鉄板はなし 土のう準備も間に合わず

 この地区に大きな被害をもたらした末政川の決壊について、国の調査委員会は、橋をつたって川の水があふれ、その水が堤防の外側を削ったことが要因だと結論付けた。
 当時の対応について、倉敷市建設局土木部の梶田英司部長は「土のうを準備して作業に入ったが、それができなかった。経験値以上のスピードで水位の上昇があり、間に合わなかった」と振り返る。

 そもそもこの場所には10年以上前から鉄板が用意されておらず、西日本豪雨の時は土のうを準備していたが設置はできなかった。

「早く土のうを積めば、そこからの越流を防げる。かといって早過ぎると今度は(道路を止めるので)避難している皆さんをせき止めてしまう。避難と、あふれるのを防ぐというタイミングの問題というのは非常に難しい」

重い鉄板 訓練もできず…

 真備町で浸水したエリアには、有井地区のほか、呉妹地区にも2カ所、陸こうが設置されている場所がある。
 小田川の支流・背谷川に架かる道路の両側と、そこからおよそ300メートル離れた内山谷川に架かる道路の両側だ。西日本豪雨ではどちらも水があふれた。

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最終更新:11/10(土) 14:00
KSB瀬戸内海放送

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