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『エースコンバットINF』コトブキヤ1/144「XFA-27」レビュー…航空機プラモの革命児【ゲーム系プラモって実際どう?】

11/11(日) 12:00配信

Game Spark

コトブキヤが10月25日から出荷を開始した、バンダイナムコエンターテインメントの『エースコンバット インフィニティ』登場のオリジナル機体プラモデル1/144「XFA-27」。組みやすさやプロポーション、そして塗装にまで注目した、ゲーム系プラモデルレビューをお届けします。

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■航空機プラモデルで素組みでも楽しめる期待のプラモデル
スケールモデルの、特に航空機プラモにおいて多色成型プラ+スナップフィットという構成は、2010年にフジミの1/72「F-35B ライトニングII STOVL」と、トミーテックの1/144航空機シリーズ「技MIX」で一足先に実現していました。

しかしながら、フジミは2011年に発売した1/72「F-15E ストライクイーグル」のオーバースケール騒動以降に新製品が途絶え、トミーテックの「技MIX」は2014年の1/144 「F-14」の発表以来発売には至っていません。

今回のXFA-27は、現用航空機プラモにおいて主流の1/72より小さい1/144スケールであるものの、一部彩色済みパーツを同梱することで、疑似的な色プラを再現しています。このため、ゲーム中の彩色を完全再現するにも完璧に塗装する必要はなく、一部分を塗装すればゲーム仕様になる優れたキットです。

■『エースコンバット2』と『X』、そして『INF』とそれぞれ微妙に違う「XFA-27」

XFA-27は、『エースコンバット2』の2週目EXTRA終盤に初めて登場するオリジナル機体で、再登場したのはPSP向け『エースコンバットX』からです。『X』では、グレー2色のロービジカラーを基本色に、『2』カラーを含めた4種類が現れたことでカラーバリエーションが大幅に広がりました。


『X』仕様のXFA-27は『INF』版と小さな相違点があり、主な部分はコックピット左下部の機銃有無です。キット化された『INF』版は、F/A-18のように機首に機銃とピトー管が設置され、F-14のようなミサイルラックも装着しています。なお本機は『INF』の他にも、『X2』と『3D』にも登場しています。

■1/144という小ささと、簡単に完成まで進められる手軽さの衝撃


1/144「XFA-27」は、そのスケールから必然的に箱が小さく、他のコトブキヤプラモデルと比べても小さいですが、ドイツレベルの同スケールの「F-14D」箱と比べてみると多少大きいのがわかります。


1/144「XFA-27」はパーツやランナー数も少ないため手軽に制作できます。組み説のキット制作手順は、ミサイル→機体下部→機体後部→機体上部→上下張り合わせ→パイロット+キャノピーという順番です。


通常版「XFA-27」は、胴体のカナードと可変翼、垂直尾翼、そしてベルドラルフィンにそれぞれタンポ印刷での塗装が施されていることに加え、エンジンとコックピット部が黒で成型されておりそのまま組み上げてもイメージ通りのものを作り上げることが可能です。


接着剤を使用する必要がなく、パーツを切り出したらすぐ組み上げられることから、1時間もかからずに完成させることが出来ました。これは衝撃と言ってもよいもので、以前筆者が制作したドイツレベルの1/144 F-14Dと1/144 F/A-18Eは完成までに塗装を含めると1週間以上費やしたからです。


また前述の通り、本キットはスナップフィットと一部塗装パーツで構成されていますが、パーツを切って取り出し、そのまま取り付けることだけで理想の形を作れるのは心的負担が低く、モチベーションが途切れずに作り上げられます。


『エースコンバット2』や『エースコンバットINF』などで登場したXFA-27を飾るだけなら、通常カラー版を選ぶだけでその形とおおよそのカラーが手に入るので、プラモデルに触れることの少ないユーザーにもおすすめできます。


このページでは素組みをご紹介しました。なおコトブキヤ公式には部分塗装+スミ入れを行い、少ない労力で見栄えのある姿へ簡単に制作できる作例が紹介されています。そのため次ページでは、付属のデカールを使った完全塗装を目指して制作していきましょう。


次ページ: 「XFA-27」の完全塗装に挑戦!


■1/144 XFA-27完全塗装を目指す―塗装のために必要なこととは?

通常版1/144「XFA-27」にはキットの説明の通り、白色成型の本体カナードや主翼尾翼などに赤いラインがあらかじめ塗装されています。そのため、本来なら塗装する必要はありませんが、赤ラインを表現するデカールが通常/モデラーズ版両方に同梱されており完全塗装に対応しています。ここでは、一度XFA-27分解し完全塗装に挑戦します。

まず、必要な塗料と塗装の順番を考えてみます。本キットで可変翼は後付け可能な機構になっておらず、本体と塗装後に取り付けることが不可能です(合わせ目消しを無視すれば可能)。また今回は、『X』や『INF』の3Dモデルで見られなかったラインを消すことを考え、先に取り付ける可変翼を塗装する必要があります。


塗装順は「可変翼+取り外せるパーツの塗装→胴体に可変翼取り付け→合わせ目消し→マスキング→胴体塗装→各部にパーツ取り付け」で行います。ここで気付いたのが、ある程度バラバラにして塗装出来ることです。接着の労力が減り、作業時間を著しく短縮できます(主脚部や主脚カバーを接着する必要がないのも大きい)。


ここでは、プラモデルの透け防止と白の発色から下地としてサ―フェイサーの「ガイアカラー GS-03 サーフェイサーエヴォ ブラック」と、「Mr.フィニッシングサーフェイサー 1500 ホワイト」、そして一番上面に白の「Mr.カラー C316 ホワイトFS17875」を塗ります(黒サフ→白サフで塗装するときは必ずしも2種類のものを使用する必要ではなく、缶タイプのサ―フェイサーでも可能)。


また、薄め液には湿度と気温を考慮し、リターダー入り(リターダーは塗料の乾燥を遅くし、塗料の白化などを防止する)ガイアカラーの「T-06 ブラシマスター」を使用しています。

ホワイトFS17875を使う理由としては、『エースコンバットINF』は現実世界が舞台であり、米海軍で使用されている色を使っても違和感がないことと、そして多少グレーが混じった白塗料であるからです。また黒サフ→白サフ→白塗料という塗装工程を行うことで、白塗料そのものの発色を良くすることもできます。


まず塗装前に組み立てたXFA-27を分解。そのあと、主翼と2種類のベルドラルフィンと主脚部などをクリップで咬ませます。そのあとは、エアブラシなどで黒サフ→白サフ→C316の順番で塗ります(筆者は塗装にクレオスの「プロスプレー ベーシック」を使用)。


C316まで塗装したら、可変翼にデカールを先に貼りました(この工程は全体塗装を行った後でも可能)。塗装を終え、垂直尾翼と可変翼、そして胴体を組み込んだら接着とパテの盛り付けに入ります(パテはタミヤのラッカーパテを使用)。


パテは、エアインテークと胴体に繋がる微妙な段差と、可変翼近くにある合わせ目を消すためのもので、赤線で括った部分を埋め込みます。1日以上置いてパテが乾いたら紙やすりなどで不要な部分を削り取ります。パテを削り、隙間が埋まったのを確認し、可変翼部やキャノピーを紙やマスキングテープで養生したらいよいよ塗装です(デカールの上にマスキングテープを張ると剥がれる危険があることから、ここでは紙を巻き付けた)。


まず本体を黒サフで塗ったら乾燥に1日ほど置きます。次に可変翼近くの黒指定部をマスキングし、濃度を調整した白サフで塗装。乾いたら濃度と量を再調整したC316を塗り、乾くのを待ちます。


乾いたらマスキングを剥がして全体の確認です。可変翼を塗装した時と塗料の濃度が違うため、表面の光沢と色に差異が生まれてしまいました。筆者としては、半分成功、半分失敗…というところですが、全体のイメージはデカール張りと墨入れで異なってくるのでこのまま作業を進めます。


スミ入れは、タミヤのエナメル塗料の「スミ入れ塗料(ブラック)」で行いました。またデカールは赤ラインだけでなく、指定のものを張り付けて完成です。


◆使用塗料
・ガイアカラー GS-03 サーフェイサーエヴォ ブラック(下地)
・Mr.フィニッシングサーフェイサー 1500 ホワイト(下地2層目)
・Mr.カラー C316 ホワイトFS17875(上面、ミサイル先端)
・アクリジョンN77タイヤブラック(前脚/主脚タイヤ部分)
・MrカラーC308 グレーFS36375(ミサイル基部)
・アクリジョンN4イエロー(ミサイル黄色帯)
・アクリジョンN37ウッドブラウン(ミサイル茶帯)
・アクリジョンN18黒鉄色(ミサイル羽、ミサイル先端、機首機銃部)

■ディテールが浮かび上がり、存在感が増したXFA-27
完成したXFA-27を様々な角度から眺めてみましょう。付属のコーションデカール類を付けたので機首からのディテールが上がりました。


下地塗装による透け防止と、スミ入れを行ったことで全体的な密度が高まった印象を受けますが、思い返してみても可変翼と胴体の白が違うのが心残りです。


しかし、胴体と機首の合わせ目消しをしたことで、模型としての一体感が増したのは大きいと思いました。


前述の同スケールのプラモデルとして言及したドイツレベルの1/144「F-14D」と「F/A-18E」と並べてみます。


この2機種を並べてみるとXFA-27は機首から機尾までが長く細い印象を与えます。また正面から眺めてみるとF-35のようにタイヤから機体までの位置が高いです。『INF』本編のように実在機とオリジナル機体を並べて、デザインの違いを楽しむこともできます(ドイツレベルやプラッツの1/144航空機プラモも、他のスケールモデルと同じように大体は塗装必須)。


この塗装でも、制作時の手間と時間を大きく短縮できたのがスナップフィットという構造でした。スナップフィットのため、塗装後の脚部組み換えにも対応しているのは、遊びや展示の幅も広がるのが他の航空機プラモにない大きなポイントではないでしょうか。しかしながら、1/144というサイズ故に可変翼以外の可動(カナードや垂直尾翼、ベルドラルフィン、推力偏向ノズル)やピトー管がオミットされると共に、価格に対して完成物が小さいため割高感があることが残念です。

それでも、簡単かつ手軽に組み立てられる1/144「XFA-27」は、まさに「航空機プラモの革新」と言っても過言ではないかもしれません。

『エースコンバットインフィニティ』コトブキヤ1/144「XFA-27」は、通常版が4,200円(税抜)、塗装必須の〈For Modelers Edition〉は3,500円(税抜)で発売中です。

Game*Spark G.Suzuki

最終更新:11/11(日) 12:00
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