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成熟の川崎F連覇!13差逆転完結 家長が常勝への“新司令塔”

11/11(日) 6:00配信

スポニチアネックス

 ◇明治安田生命J1第32節 川崎F1―2C大阪(2018年11月10日 ヤンマー)

 川崎Fがリーグ史上6度目の連覇を達成した。敵地でC大阪と対戦し1―2で敗れたが、2位の広島も仙台に0―1で敗れたため2試合を残して優勝が決定。この日PKを決めたMF家長昭博(32)の活躍などで、広島と最大13あった勝ち点差を逆転。来季は史上2チーム目の3連覇と、初のACL制覇で常勝軍団を目指す。18年W杯ロシア大会日本代表のMF大島僚太(25)が本紙に手記を寄せた。

 最高の形ではなかった。それでも連覇の偉業は決して色あせることはない。昨年は優勝の可能性が高かった鹿島の試合会場に運ばれたため、試合直後に掲げることはできなかった優勝シャーレを副主将のDF谷口が、スワロフスキーのクリスタルをあしらった約100万円の風呂おけを中村が掲げると、笑顔が戻った。鬼木監督が「1年の積み重ねが実を結んだ」と話せば、中村も「取り組みの成果」とうなずいた。

 道のりは平たんではなかった。相手は守備を固めるなど当たり前。10月7日の鹿島戦では、通常でも本拠に比べ倍近く長い芝が、パスサッカー封印のためにさらに伸ばされた。鹿島陣営すら「うちもやりにくかった」と漏らしたほどだった。過去の連覇チームと同様、得点力が下がったのは徹底的に対策を練られたから。連覇の難しさを味わった。

 ただ、それを乗り越える原動力となったのが、昨年の初Vで自信を得た「自分たちのサッカー」。指揮官は昨季からの3原則(球際、攻守の切り替え、ハードワーク)をさらに徹底。「やることをやれば勝てる」(中村)、「体に染みついた」(登里)とチーム戦術は成熟度を増し、守備でも昨年以上の安定をもたらした。

 大きな役割を果たしたのが、加入2年目の家長だ。昨オフ、古巣・G大阪からの破格オファーに心が揺らいだが、残留を決断すると開幕からフル稼働。昨年より劇的に進化したパス&クロスで違いを見せつけた。遠征先に自前の機材を持ち込む「セルフケア」の鬼で、体脂肪も常に9%台をキープ。普段は寡黙ながら敵、味方に関係なく尊敬を集める圧倒的な存在感に、チームも引っ張られた。

 一昨季までチームを引っ張り続けた中村、主将就任で自覚が芽生えた小林。今季はそこに家長が加わり、チームの核は、さらに大きく頼もしくなった。ゼロックス杯、ACL、天皇杯と落としたが、長期戦のリーグでは成熟度の違いを見せつけた。「優勝して終わりじゃない」と家長。来季はさらなる熟成で黄金期を築きあげる。

 【川崎Fデータ】

 ★連覇 V川崎(93、94年)鹿島(00、01年)横浜(03、04年)鹿島(07~09=3連覇)広島(12、13年)に次いで川崎Fが延べ6チーム目。

 ★監督 鬼木達監督は監督就任1年目から連覇。初采配からJ1を連覇した監督(海外での采配も含む)は松木安太郎監督(V川崎)森保一監督(広島)に次いで史上3人目。

 ★敗戦でV決定 96年鹿島(●0―5)04年第2ステージの浦和(●1―2)に次いで14年ぶり3チーム目。

 ★逆転優勝 第13、14節(5月12日)終了時には首位広島と勝ち点13差。J1史上最大の逆転優勝は14年G大阪の勝ち点14差(首位浦和=残り20試合)。今回はこれに次ぐ逆転V。

 ★堅守 昨季の71得点から、今季は53得点と大幅減。それでも連覇できたのは、1試合平均失点が昨季の0.94点→0.81点、1点差勝ち9試合(昨季は7試合)と堅守と勝負強さが光ったからだ。

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