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紀平、衝撃GPデビュー!真央も羽生も超えたSP5位から大逆転V/フィギュア

11/11(日) 7:00配信

サンケイスポーツ

 フィギュアスケート・NHK杯第2日(10日、広島県立総合体育館)グランプリ(GP)シリーズ第4戦。女子ショートプログラム(SP)5位の紀平(きひら)梨花(16)=関大KFSC=が、フリー1位の154・72点をマーク。合計224・31点とし、日本勢初のGPシリーズ初出場優勝を飾った。大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2度決め、ルール改正後の世界2位となる高得点を記録。2010年バンクーバー五輪銀メダルの浅田真央(28)や五輪2連覇の羽生結弦(23)=ANA=もなし得なかった快挙を達成した。

 心より先に体が動いた。非の打ち所のない演技でフィニッシュを飾った紀平が両拳を振り下ろす。GPシリーズで日本勢初の初出場優勝。絶対王者の羽生も、憧れの浅田でも打ち立てられなかった快挙を、シニア1季目の16歳が成し遂げた。

 「ガッツポーズせずにはいられなかった。信じられません。こんなに心からうれしい気持ちは初めて」

 代名詞のトリプルアクセルでSP5位から巻き返した。冒頭。3回転半-3回転トーループが決まる。続く3回転半は鮮やかな着氷。3・09点のGOE(出来栄え点)を引き出し、平昌五輪を制したザギトワ(ロシア)の合計238・43点に次ぐ今季世界2位の同224・31点を引き寄せた。

 前日9日のSPは3回転半で転倒。修正点は踏み切りの早さと見極めていた。タイミング良く氷をとらえていた1週間前の西日本選手権(名古屋)の映像と比較して修正。踏み切りの感覚が狂ったときにはあえてジャンプを跳ばずに調整する徹底ぶりで本番の成功に結びつけた。

 5歳で競技を始め、3回転半を操った五輪メダリストの伊藤みどりや浅田を手本としてきた。「みどりさんの高さで流れのあるジャンプができたら加点が付く。真央ちゃんはタイミングが参考になる」。柔らかい物腰の胸のうちに向上心を秘める“ジャンプの申し子”は、女子では異例の4回転投入も見据える。

 開催地の広島で育った浜田美栄コーチの母は11歳の頃に第二次世界大戦で被爆し、おばは13歳で亡くなった。原爆ドームの目と鼻の先にある会場での演技前、浜田コーチはまな弟子に伝えた。

 「好きなことを続けられる世の中に生まれたの。闘争心を燃やしなさい」

 特別な思い入れがあるという恩師にも届けた意義深い1勝だ。次戦はGP第6戦のフランス杯(23、24日)。「一生心に残るであろう演技です」と紀平。夢見心地のニューヒロインはあどけない笑顔で快挙の余韻に浸った。

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