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【地球コラム】2度目の「天皇訪中」はあるのか~中国の対日接近戦略を探る~

11/11(日) 10:01配信

時事通信

40年前、お言葉に感動したトウ小平氏

 首相として7年ぶりの単独訪中となった安倍晋三首相は10月26日、北京で習近平国家主席と会談した。安倍首相は、習主席に対して来年の訪日を要請するとともに、「ちょっと気が早いですが」と前置きして2020年の東京五輪開会式にも招待した。日中関係がこのまま順調に推移すると仮定して、中国側が必ず持ち出すであろう「もっと気の早い」話を予想してみたい。来年5月に皇太子殿下が新天皇になられた後、「新天皇の訪中問題」である。(時事通信社外信部編集委員・城山英巳)

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 今回の安倍訪中は、日中平和友好条約締結40周年に合わせたものだが、ちょうど40年前の1978年10月23日、批准書交換のため中国共産党の国家指導者として戦後初めて来日したトウ小平(当時は副首相)が、昭和天皇と会見した。過去の戦争に関する「核心」にまず触れたのは天皇だった。

 「両国の間には非常に長い友好の歴史があり、その間には一時、不幸な出来事もありましたが、過去のこととしてこれからは長く両国の親善の歴史が進むことを期待しています」。

 通訳を務めた田島高志外務省中国課長は、「不幸な出来事」という原稿から離れた昭和天皇の予想外の言葉を聞いたトウ小平が、「非常感動」と興奮した様子で反応したことをはっきりと覚えている。「過ぎ去ったことは過去のものとして、今後は前向きに両国の友好関係を建設し、進めなければなりません」とトウ小平は答えた。

 この時、トウ小平が昭和天皇に対して訪中を要請したという外交記録は日中双方に残っていない。中国共産党・政府が初めて、昭和天皇に直接訪中を要請したのは翌79年4月である。故周恩来夫人のトウ穎超全国人民代表大会常務副委員長が来日し、昭和天皇と会見した際だ。「陛下のご都合の良い時期に中国を訪れ、ご覧になることを希望します」。トウがこう言及すると、天皇は「もし機会があれば、うれしく思います。これは日本政府が決めなければならないことです」と応じたが、突然の天皇訪中要請に日本政府は衝撃を受けた。

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最終更新:11/11(日) 10:01
時事通信

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