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市名巡る住民投票 ややこしくて運動静か? 市長選実施で公選法抵触可能性も/兵庫・篠山市

11/11(日) 9:28配信

丹波新聞

 兵庫県篠山市の市名を「丹波篠山市」にすることの是非を問う住民投票が11日、告示された。市民にとって初めてのことで、市長選挙とも重なる異例のケース。全国からも注目が集まる。ともに公職選挙法に則って行われるが、投票行為自体に注意が必要な点があるほか、投票を呼びかける運動においては、住民投票では許可されていても、選挙では禁止になっている事項があり、運動がヒートアップすれば、状況によっては公選法に触れるか否かの“グレーゾーン”に陥るケースも予想される。このため、本来なら賛成派も反対派も自由に意思表示できたはずの運動がしにくく、運動に関しては「静かなのでは」との予測が広がっている。投開票は18日。

◆投票
 住民投票の投票用紙に記入するのは、「市名を丹波篠山市に変更することについての賛否」。賛成の人は「賛成」の欄に「○」を、反対の人は「反対」の欄に「○」をするだけで、投票は1人1票。自分の意思と反対の欄に「×」を付けたり、賛否それぞれに「○」と「×」を付けたり、「○」以外の記号、文字などを記入すれば無効となる=図参照。選挙と同様、白紙も無効。

 もう一つ注意したいのが投票所への出入り=図参照。投票所に関しては、市長選挙の選挙人でなければ投票所に入ることができないという公選法第58条がまず厳守される。選挙と住民投票が同日実施の場合、例えば市長選挙に1票を投じた時点でその人は選挙人ではなくなるため、いったん投票所を出ると、再び投票所に入ることはできない。「住民投票については後で来よう」と思っても投票できない。

 反対に、先に住民投票のみを済ませて、「後で市長選挙に行こう」という場合は、選挙人であることに変わりはないから、再び投票所に入り、投票することが可能。市選管は、まぎらわしくなるのを避けるため「市長選挙と住民投票は一度に」と呼びかけている。

◆運動
 住民投票に関する運動については、市住民投票条例第10条でうたう「買収、供応、脅迫等により市民の自由な意思が拘束され、若しくは不当に干渉され、又は市民の平穏な生活環境が侵害されるものであってはならない」以外は、選挙よりも自由度が高い。

 選挙では禁止されている個別訪問もでき、チラシの枚数や運動に使う自動車の台数も制限はない。選挙のように、街頭に立つ場合に腕章をするといった決まりもない。第10条が守られ、常識の範囲であれば、団体でも個人でも活発な運動が展開できた。

 しかし、今回は市長選挙と同時。「丹波篠山市」への市名変更を強く訴える前職の出馬が予定されている。仮に住民投票だけであれば問題がなかった「丹波篠山市に賛成の方に『○』を入れてください」といった呼びかけも、その方法や状況によっては公選法に抵触する可能性があるという。

 市選管は、「タイミングや発した言葉の内容、周囲の状況などで変わってくるので、一概にこういう場合はダメとは言いにくく、司法の判断となる。選管としては『注意して』としか言えない」と言い、問い合わせも数件あるという。

 市名変更賛成の立場から「丹波篠山超応援団」を立ち上げた中村相石さんは、「告示以降は、団体としての動きはせず、選挙とは切り離して個人的に投票を呼びかける」と話す。

 市名変更に反対の立場の「篠山市の市名を守る会」(「市名変更問題の駆け込み処」が改称)の梶原周逸さんは、「公平を保ちながら訴えたい気持ちは持っているが、告示後は、会としては動かない」と、いずれも公選法とのからみのややこしさ、運動のやりにくさを感じている。

 中立の立場をとる「市名の名付け親になろう会」事務局の河南芳治さんは、「公選法のからみが出てくることは、前市長が出直し選に出た時点から想定していた。中立の立場から住民投票を呼びかける活動をしたいが、難しさを感じている。賛成派、反対派が動けば盛り上がる。告示後は静観するだけ」と話している。

最終更新:11/11(日) 10:24
丹波新聞

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