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「朝読んで元気になる作品を書きたい」 漫画家ふじもとゆうきさんの思い

11/11(日) 0:30配信

DANRO

現在第1巻が発売中のコミック『シェアハウス金平糖北千住』(白泉社)は、題名の通り「シェアハウス」を題材とした漫画です。これだけだとよくある話のようですが、変わっているのはシェアハウスの一員になる条件。それは「赤ちゃんをみんなで育てる」ことです。

【画像】『シェアハウス金平糖北千住』のイラスト

島育ちで、高校進学を機に東京に出てきた主人公・千波は、その条件に驚きつつも、住人であるアイドルの卵・壱星や宝、小説家でもある大家の仁平さんとともに、育児や日常の生活に奮闘をつづけます。

作者のふじもとゆうきさんはこれまで、『となりのメガネ君。』『キラメキ☆銀河町商店街』など、幼なじみ同士の友情や恋愛をテーマにした作品を執筆してきました。ゼロから人間関係をスタートさせる物語ははじめてと言います。そんなふじもとさんに、これまでと違ったテーマにした理由や今後の展望などについて聞きました。(若林良)

「ゼロからの人間関係」への挑戦

――構想のきっかけから教えていただけますか。

ふじもと:「共同生活を題材にしたい」と思ったことがスタートですね。アパートや寮での、さまざまな人たちの共同生活を題材とした少女漫画は多く、私自身も子どものころから親しんできました。漫画家になってからも、いつかアパートものを描きたいと思っていて。そこで、『ただいまのうた』(『花とゆめ』2009~2014年連載)の終了後、担当編集の方に相談してみたんです。そうしたら、「今の時代ではシェアハウスがいい」と言われて。そこから具体的に、作品の内容を詰めていきました。

――住人みんなで赤ちゃんを育てるというアイディアは、どこから来たのでしょうか。

ふじもと:ちょうど、娘を出産したころでしたので、「赤ちゃんを入れましょう」という提案が担当編集者の方からあったんです。私自身も、親となった今なら、赤ちゃんが描ける気がすると思って。赤ちゃんの冬太郎に、娘を反映している点はあります。たとえば冬太郎はおじぎが深くて、頭が床につきそうになるんですけど、娘にも同じ傾向がありました。夫が読んだときに、「まんまうちの子じゃないか」と言っていたりもして(笑)

――各キャラクターの造形は、どのように考えられたのですか。

ふじもと:主人公の千波は、まず髪型から入った感じですね。ベリーショートの女の子を主人公として描きたいという思いがあって。冬太郎は最初目がぱっちりした赤ちゃんで、髪も普通だったんですけど、細目で天然パーマのような形にしたのは、“キャラ立ち”を意識したことが大きいですね。

大家の仁平さんは、着物にビン底メガネでいかにも小説家なイメージ。アイドルの壱星と宝は、双方のバランスを考えました。髪の色や目の形もそうですし、性格的にも、自己主張が強い壱星とは対照的に、宝はふんわりとした感じの、優し気なイケメンにしようとか。シェアハウスが持つ多様性を考えるうえで、各人物の年齢のバラエティにも配慮はしています。

――ふじもと先生は、幼なじみの男女の友情や恋愛をテーマにした作品が多いですが、本作はこれまでの環境を離れ、新しい人間関係を築こうとする女の子が主人公ですね。

ふじもと:意図的にテーマは変えました。これまでの私の作品は、ずっと幼なじみの男の子と女の子や、家族を中心としたストーリーだったので、“昔からの絆”をいちど封印しようと思って。幼なじみが中心の話だと、過去のエピソードとかも後から出したりできますし、書きやすいんですけど、ゼロからの人間関係のスタートを、いちど書いてみたいと思ったんです。

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最終更新:11/11(日) 1:01
DANRO

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