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未来の大改修のために~世界遺産・首里城に欠かせない「イヌマキの木」を育てる人々のストーリー

11/11(日) 7:04配信

ニッポン放送

ニッポン放送「八木亜希子 LOVE&MELODY」では、「10時のグッとストーリー」と題し、番組スタッフが取材した「聴いて思わずグッとくるGOODな話」を毎週お届けしています。
今回は、沖縄県が誇る「首里城」の将来の修復工事に備えて、地元産の木を長年かけて育てている団体の、副会長さんのグッとストーリーをご紹介します。

かつて沖縄に存在した、琉球王国。中国と東南アジアを結ぶ中継貿易で繁栄しましたが、その政治・文化の中心だったのが、14世紀に造られたとされる「首里城」です。
しかし、かつてあった首里城は沖縄戦の際に破壊され、戦後、城跡に琉球大学が建てられたため、一部の城壁や基礎部分を除き、首里城は完全に消滅してしまったのです。
その後、琉球大学の移転に伴い、首里城の再建計画が持ち上がり、80年代末に復元工事がスタート。当時の設計図などをもとに、92年、正殿などが昔のままの姿でよみがえりました。

復元にあたり委員を務め資料の考証を行ったのが、歴史学者で、かつて沖縄県の副知事も務めた「首里城公園友の会」の副会長。高良倉吉さん・71歳。高良さんは工事の際、衝撃的な事実を知ります。

「首里城の修復には“イヌマキ”という沖縄産の木が欠かせないんですが、修復に使える大きさのイヌマキが、沖縄県内に1本も見つからなかったんです。……1本も、ですよ!」

その理由は、戦争でほとんど焼き尽くされたイヌマキを、誰も新たに植えようとしなかったからです。
イヌマキは建物の天敵であるシロアリに非常に強く、沖縄の風土にも適しているので、かつての首里城にもイヌマキの木が使われていました。しかし成長が遅いため、何十年もかけて育てないと、柱や壁などに使える大きさにはならないのです。
高良さんは鹿児島や宮崎から使えるイヌマキを調達して、なんとか現在の首里城を完成させましたが、沖縄のイヌマキで復元できなかったことが悔しく、非常に心残りでした。
「このままでは50年後、100年後に大改修を行うとき、また同じことになってしまう。いまから自分たちの手で、イヌマキの木をたくさん育てて行こう」

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最終更新:11/11(日) 7:04
ニッポン放送

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