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公園や民間地に大量の骨つぼ 開発に支障、費用負担の問題 背景に沖縄の墓の慣習

11/11(日) 5:00配信

沖縄タイムス

 受け継ぐ人がいなくなり放置された「無縁墓」が沖縄県内に点在している問題で、沖縄市でも公園や民間地で遺骨の入った骨つぼなどが大量に見つかっている。公園整備や土地開発が遅れたほか、無縁仏として「改葬」する費用も市や民間業者の負担に。識者は「寺院などが管理する県外と違い、沖縄は家族単位で管理することが多く、無縁化しやすい。個人墓を建てる場合はよく検討を」と警鐘を鳴らす。(中部報道部・比嘉太一、篠原知恵)

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 沖縄市越来の西森公園内では2010年代に、傾斜地の穴10カ所から大量の遺骨の納められた骨つぼやバケツ137個が相次いで確認された。落石防止の工事を予定していたが、別の要因もあって計画の見直しを迫られ、工期は1年遅れに。骨つぼは昨年6月末に無縁仏として市の納骨堂に改葬し、約170万円の費用も掛かった。

 市によると、園内の「掘り墓」は戦前からあったと見られるが、「いつからこうした風習が始まったのかは不明」。市は軟弱な地盤から骨つぼを守るため一時別の場所に移し、墓地埋葬法に基づき官報に掲載。自治会の情報誌や市の広報誌などでも縁故者の情報を募ったが、1件の情報提供にとどまった。

 園内はほかに9カ所の掘り墓があり、市の担当者は「今後も大量の骨つぼが発見される可能性が高い」とみている。今後、公園整備を進める中で新たな調査に入る考えという。

 一方、市内の別の民間地では昨年6月、骨つぼ40個が見つかった。開発業者によると、土地を購入時は遺骨の存在を知らされていなかったといい、発見から約1年半後の今年10月にようやく約130万円を掛けて改葬した。

 経営者の男性は「埋葬手続きなどで工事が1年間も止まった上に、想定外の出費。風評被害も心配だ」と嘆く。市の担当者も「無縁仏は全県的な問題では。今後ますます市町村や民間企業の頭を悩ませることになりかねない」と指摘した。

個人墓 無縁化しやすい

 県内の墓事情に詳しい沖縄県メモリアル整備協会の東恩納寛寿さんの話 西森公園のケースは古くて約150年前の遺骨で、大半が火葬されていない戦前の遺骨とみられる。線香を立てる台もあったが、経年で原形をとどめていない。ポリバケツに入った遺骨もあり、市が周辺に聞き込みしたが、どんな経緯をたどったか全く分からないという。

 市街地に無縁墓が点在するのは沖縄特有の問題だろう。県外は寺院や集落が管理する墓地が通例で、無縁化に気付きやすい。一方で沖縄は家族単位など個人で管理する墓地の慣習が根強く無縁化しやすい上、管理する子孫が途絶えても長年放置され、開発時にやっと問題となる例が多い。

 門中で墓を持つことが多い南部は無縁墓が比較的少ない。個人墓の傾向が強い中北部は、場所によって長男直系しか家族の墓に入れず、次男などは新たな墓を用意しなければならない地域もあり、家族の分だけ墓が増えてきた。加えて県内は、登記など法律手続きがされていない墓が多く、いったん無縁になれば縁故者を探す手だてもない。

 無縁墓になる恐れがあるからと、県内でも60~70代を中心に、生前に墓じまいをし、自治体や法人が管理する永代供養墓に改葬する依頼が年500件ほどある。個人墓地を持っていたり、新たに建てたりする場合は、将来にわたり責任を持てるかをよく考えてほしい。

最終更新:11/11(日) 5:00
沖縄タイムス

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