ここから本文です

<北朝鮮内部>冷える韓国と文大統領への関心 「平壌訪問は迷惑だった」という平壌市民の声も

11/12(月) 11:52配信

アジアプレス・ネットワーク

「文在寅(ムン・ジェイン)大統領への期待や関心は薄れてしまいましたねえ」
10月末に平壌から中国に出国してきたビジネスマンが、アジアプレスとのインタビューに応じ、開口一番、このように述べた。9月に平壌を始めて訪れた文大統領を平壌は大歓迎したのではなかったのか? (聞き手 パク・ヨンミン/整理 石丸次郎)

【関連写真を見る】 秘密カメラがとらえた平壌の統制の実態 (写真9枚)


――文在寅大統領の平壌訪問から2カ月が経ちました。最近の平壌の雰囲気はどうですか?

「文大統領の平壌訪問には多くの人が期待しました。何か支援してくれるだろうと思ったからです。経済制裁の影響で金回りが悪くなって平壌の庶民も非常に苦しい。その後、何も変化がないので、韓国と文大統領への関心は薄らぎましたね。話題にもならない。日々の生活に追われていますから」

――文大統領は平壌市内をパレードし、動員された大勢を前に演説もしました。人々は好感を持ったのでは?

「私の周りには、『文在寅いいね』なんて言う人はいませんよ。そんな発言したら、捕まって死ぬことになりますから。絶対に人前では言えない」

――地方の人に聞くと、好印象持った人が多かったようです。

「平壌では、文氏の訪問期間は、大変辛い思いをしたのです。街の清掃や道路の補修、歓迎動員の準備、行事の予行演習が続いてヘトヘトになりました。当初は建国記念日の9月9日の直後に来ると言われていたのがずれこんで、準備期間が長くなってしまった。

もうひとつ不満が多かったのは、平壌封鎖が長引いたこと。平壌は他地域から完全に遮断されて人も車も入れないようにしたので、商売上がったたりだったのです。はっきり言って、平壌の人間にとって文大統領の訪問は迷惑でした」

――北朝鮮当局は文大統領の訪問をどう評価しているのでしょうか?

「職場や人民班の会議では、最近も『南の文在寅の輩たちが来たが、期待や幻想を持ってはならない』と教養しています。まだ敵だということなのでしょう。今でも、市場では韓国製品の販売は絶対禁止です」

――金正恩氏は文大統領に非核化すると約束しました。

「はい、知っています。でも政治学習では、今も『我われは核武力を絶対に放棄しない』と、人民に説明しています」


平壌から日本に脱北してきた男性は、文大統領の平壌訪問時の映像見て、次のように「平壌市民の感情」を推察する。

「パレードなどの歓迎行事に動員された平壌市民は、大変辛い目に遭ったと思います。『一号行事』と呼ばれる金正恩参加の催しですから、ずっと最大の統制を受けたはずで、空港への出迎えやパレードに動員された数十万人は、間違いなく明け方から指定された場所で待機させられていたはず。『文大統領のせいで苦痛を受けた』と感じた人も多かったことでしょう」
※平壌から出国してきたビジネスマンとのインタビューは、アジアプレスの中国人メンバーが秘密裏に対面して行った。

あなたにおすすめの記事