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現役医師が教える、実は安易に処方したくない薬!?

11/12(月) 19:45配信

All About

◆医師が安易に抗生剤を出したくない5つの理由

患者さんが「抗生剤がほしい」と言っても、抗生剤を出すのを渋る医師に遭遇することも少なくはないでしょう。医師が抗生剤を安易に処方しないのには理由があるのです。ここでは「安易に抗生剤を処方したくない5つの理由」を、わかりやすく解説したいと思います。

◆1. 抗生剤の「効果」が乏しい……ウイルスに効果なし

医師が抗生剤を出したがらない理由として、細菌感染でなければ「効果が乏しい」、言い換えると、「出しても意味がない」と考えていることが挙げられます。

例えば、風邪のほとんどはウイルスによる上気道感染です。ウイルスに抗生剤は効きません。ノロウイルスによる急性胃腸炎に関しても、抗生剤は効果がありません。風邪に対しての二次細菌感染予防のための抗生剤投与も無効であることがわかっています。中耳炎や気管支炎、肺炎など細菌感染を併発したときには抗生剤は効果があります。

日本ではまだ一部の方に「風邪は抗生剤で治るもの」といった間違った認識があります。海外、特に欧米ではウイルス性風邪に抗生剤を処方しないことが常識となっています。欧米では風邪で医療機関を受診しても、熱さまし程度しか出してもらえないところが多いでしょう。

◆2. 抗生剤乱用による「耐性菌」……治療が難渋するリスクも

抗生剤をむやみに使用すると、菌が抗生剤に対する「耐性」をつけ、「耐性菌」ができてしまうリスクがあります。

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)という菌を耳にしたことがありませんか? MRSAは、抗生剤の過剰な使用により菌の性質をどんどん変化させるため、抗生剤に対して抵抗力を持ってしまいます。この菌に効く薬は限られており、またその薬に対しても耐性を持つ菌ができてしまうと治療に難渋します。

胃潰瘍や胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリ菌も近年除菌成功率が低下しています。原因は、抗生剤の乱用で耐性菌が増加していることが考えられています。薬剤耐性菌については、厚生労働省も「薬剤耐性(AMR)対策について」などで患者さんサイドに対しても注意を促しています。

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最終更新:11/12(月) 19:45
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