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「養育費」の一括請求、スザンヌさんも…「もらい方・使い方」には注意

11/14(水) 9:43配信

税理士ドットコム

養育費のもらい方は、月々の振り込みに限りません。最近では、2015年に離婚したタレントのスザンヌさんが、子どもが20歳になるまでの養育費を一括でもらったことをテレビ番組で明らかにしました(10月14日放送の読売テレビ「上沼・高田のクギズケ!」)。

養育費を毎月ではなく、一括でもらうメリットとは何なのでしょうか。また、一度に多額の養育費を受け取ることにより、贈与税がかかるなどのデメリットはないのでしょうか。佐原三枝子税理士に聞きました。

●「養育費の不払い率は非常に高い」

ーーそもそも支払う側に資力がなければ難しいことですが、養育費を一括でもらう方法もあるのですね

「そうです。離婚時に支払われるものとしては主に、慰謝料、財産分与、養育費があります。慰謝料は離婚原因を作ったほうから相手方へ支払われるもの、財産分与は夫婦で築いた財産をその形成の貢献度に応じて分けることです。そういった意味から、慰謝料と財産分与は通常、離婚時に一括して支払われます。

一方、養育費は子どもが成長するための生活費ですから、毎月払いとされることが多いですね。ただ、日本では養育費が不払いとなる率が非常に高いと言われています。養育費を取り立てる制度はありますが、支払いが滞るのは不安です」

ーーその点、養育費を一括でもらっておけば、後になって支払いが滞ることがない、ということですね

「そこがメリットでしょう。ただ、スザンヌさんの発言を聞いて、驚いた専門家はたくさんいたかもしれません」

●「課税対象とされることも」

ーーそんなに驚くことなのですか

「離婚をしても子どもの成長を助けるのは双方の親の義務ですから、養育費を受け取っても贈与税は非課税とされています。しかし、子どもの将来の費用を一括で受け取ったのであれば、かなりまとまった金額だと想像されます。その場合は、たとえ養育費と言えども、贈与税の課税対象になることがあります」

ーーどういうことでしょうか

「生活を助けるのが目的ならば、必要な都度、必要な金額を支払うべきだと税法は考えます。あらぬ疑いをかけられたくなければ毎月払いが安全です。

そうはいっても、養育費不払いのリスクに備えて、一括で受け取っておきたいというのは人情です。その場合は、費用がかかっても信託銀行などに預けて、毎月支払を受けるようにするのも一案です。

常識的な金額の養育費を一括で受け取ったからといって、税務署がむやみに贈与税を課税することは少ないと思いますが、それを原資として、株式や家などを購入したのでは、養育という本来の目的から外れます。

子どものためにお金を増やそうと思ったから、一緒に住む家が必要だったから、という事情はわかりますが、これでは単なる資産の贈与とみなされ、課税対象になる可能性があります」

【取材協力税理士】

佐原 三枝子(さはら・みえこ)税理士・M&Aシニアスペシャリスト

兵庫県宝塚市で開業中。工学部やメーカー研究所勤務から会計の世界へ転向した異色の経歴を持つ。「中小企業の成長を一貫してサポートする」ことを事務所理念とし、税務にとどまらず、経営改善支援、事業承継や海外事業展開の支援を手掛けている。

事務所名 : 佐原税理士事務所

事務所URL:http://www.office-sahara1.jp/

弁護士ドットコムニュース編集部

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