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<北朝鮮内部>深刻な資金不足 寄付金額に応じ犯罪許すと「免罪符」発行

11/14(水) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

◆金出せば犯罪者も釈放

金正恩氏が強力に進めている北部の三池淵(サムジヨン)観光特区の建設資金集めのために、住民に広く寄付を要請していることが分かった。多額の寄付をした場合、犯罪者の減刑措置まで実施しており、資金調達に難渋する金正恩政権が、なりふり構わず完工を目指していることが浮き彫りになった。(カンジウォン/石丸次郎)

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北部の両江道(リャンガンド)に住む複数の取材協力者は、10月後半から11月にかけて、次のような内容を伝えてきた。

「当局が、三池淵建設への資金寄贈(寄付)を広く奨励している。100万ウォン(約1万2000円)を寄付して、教化所(刑務所)に収監されている身内の刑期を3年も短縮してもらったケースがある。また、人身売買事件で死刑宣告を受けた両江道の48歳のキム某は、家族が500万ウォン(約6万円)を寄付して、懲役12年の刑期を短縮されて9月に出所してきた」

※北朝鮮では9月9日の建国記念日に全国で一斉に大赦を実施され、多くの刑事犯が減刑3年の恩恵を受けた。

◆経済制裁で資金不足が深刻化

これは特定の事業で資金を国家に寄付した者に与える表彰状のようなものだ。取材協力者は次のように説明する。

「三池淵建設政治部に資金を寄付すると、寄付者が所属する機関や企業を通じて、党委員会から「寄贈証書」が発行される。赤色のA4用サイズで金日成と金正日の肖像画が入っていて、その下に名前、寄贈額が記される」

「寄贈証書」は、まるで「免罪符」だ。寄付の金額によっては犯罪者も釈放してもらえる。そのため、寄付に関心を見せる人が増えたとして、協力者は次のように述べる。

「特に新設の貿易機関やトンチュ(新興成金)が、法的処罰を帳消しにしてもらうために寄付するケースが増えている。けれども、お金がない人や身内に収監者がいないと、三池淵建設への寄付に、人々はまったく関心を示さない」
と現地の状況を伝えた。
※貿易会社やトンチュは脱法行為をして稼いでいる場合が多く、当局に処罰を受けることが多い。

三池淵建設は、金正恩氏が2016年末に、「革命の聖地を国際的な一級観光地として建設せよ」と命じた最優先国家建設プロジェクトだ。今年に入り、全国各地から多数の住民が建設工事に動員され、さらに建設資材や資金の供出も求められている。住民の負担は大きく、反発の声が上がっていた。

寄付額に応じて「免罪符」まで与えようとしていることから、経済制裁によって金正恩政権の統治資金不足が、深刻になっていることがうかがわれる。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

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