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【マザーズ】“真実告知”母子それぞれの苦悩 「レイプで妊娠、産むしかない」

11/14(水) 14:01配信

中京テレビNEWS

 何らかの事情で、生みの親が育てられない6歳未満の子どもを、血縁関係のない夫婦に実子として託す「特別養子縁組」。約30年前に作られた制度で、少しずつ認知は進んできました。

 一方で、子どもに養子であることをいつ、どのように伝えるか。当事者たちには“真実告知”をめぐる葛藤がありました。真実告知に悩む親たち、養子であることを知らずに育ち“生みの親”を探す子どもたち――。特別養子縁組の現場から、母と子それぞれの幸せについて考えます。

性被害で突然の妊娠 「どうやって殺そう」

 私たちが訪れたのは、養子縁組をあっせんするNPO法人が運営する母子寮。予期しない妊娠で、子どもを生んでも育てることができない女性たちが共同生活する、全国でも珍しい施設です。ここへ来る女性のほとんどが、相手の男性や家族の助けを受けられず、経済的な困窮に陥っているといいます。

 そんな女性たちの中で、私たちは高校生のカエデさん(仮名)に出会いました。カエデさんはすでに妊娠8か月。ごく普通の高校生だったカエデさんが、なぜ予期せぬ妊娠をしてしまったのか。その辛い理由を涙ながらに話してくれました。

 「レイプされて、そのことを自分の中でなくしたくて。もうずっと考えないようにしたので、妊娠とかそういうのが頭になくて」

 外出先から自宅に帰る途中、突然、性犯罪の被害にあったというカエデさん。相手は全くわかりません。しかし、おぞましい体験を思い出したくないと、警察へ被害届を出すことはありませんでした。しばらくするとお腹の中に赤ちゃんがいることがわかり、頭の中は不安と恐怖でいっぱいだったといいます。

 「赤ちゃんが(お腹の中で)動き始めて、お腹の中には何がいるんだろうとか、モンスターみたいだなっていうふうに思って。この子を育てていけるのかなという不安が、ずっと頭にありました」

 カエデさんの親が、娘の膨らんだお腹に気づいたときには、すでに妊娠7か月。中絶ができる時期は過ぎており、もう産むしかありませんでした。決まっていた推薦入学もあきらめざるを得ませんでした。

 最愛の娘を襲った出来事。カエデさんの母親は、想像もしなかった事態に取り乱したといいます。

 「どうやって(赤ちゃんを)殺そうってまず思った。憎き犯人の子どもですよ。赤ちゃんに罪はないなんて考える余裕は全くない――」

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