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「折り畳みスマホ」普及なるか。日本企業は素材・部品に商機?

11/15(木) 8:02配信

ニュースイッチ

中韓勢が投入発表、日本勢は参入未定も準備進む

 閉じればスマートフォン、開けばタブレット端末になる「折り畳みスマホ」(フォルダブルフォン)が2019年から市場に本格投入される。頭打ちが著しいスマホ市場に新風を吹き込むか注目だ。日系の化学や電子部品メーカーにとっても商機になりそうだ。

<次世代の主力に>

 「(スマホの)新たな次元を切り開く」―。サムスン電子米国法人のジャスティン・デニソン上級副社長は7日、米国のイベントで折り畳みスマホを19年に投入する考えを表明した。韓国の聯合ニュースによると、サムスンの折り畳みスマホは「ギャラクシーF」と仮称され、200万ウォン(約20万円)程度で同年3月末の販売を目指している。

 ディスプレーには数十万回折り畳んでも劣化しない「インフィニティ・フレックス・ディスプレー」と呼ばれる最新技術を活用。画面サイズは折り畳むと4・58インチ、広げると7・3インチになる。基本ソフト(OS)には米グーグルの「アンドロイド」を採用し、最大三つのアプリを実行できる「マルチタスク」機能も搭載する。

 折り畳みスマホは、機能・デザインの両面から次期スマホの主力とされる。足元のスマホ市場は世界全体で出荷台数が17年から減少に転じ、18年も減少が続く見通しの中、折り畳みスマホの市場規模は、20年には500万台規模に拡大するとの予想もある。世界最大手のサムスンが動くことで、停滞するスマホ市場の起爆剤になることが期待される。

 サムスン以外の企業も参入に意欲的だ。サムスンに先駆けて折り畳みスマホを発表した中国の新興メーカーの柔宇科技(ロヨル)は、18年中にも約14万円台から市場投入する。さらに中国・華為技術(ファーウェイ)も19年の販売を準備しているという。

 中韓メーカーの動きが目立つ中で、日本勢はどうか。ソニーが「エクスペリア」の次期モデルで折り畳みスマホを投入するという観測もあるが、ソニー自体は「ノーコメント」(広報)の立場だ。

 一方、12月に自社生産の有機ELディスプレーを搭載したスマホを発売するシャープ。10月の国内最大の家電・IT見本市「シーテック」では、深く曲がった有機ELディスプレーを参考出品し、折り畳みスマホを投入する可能性を示唆した。

 次期主力スマホと期待される折り畳みスマホだが、普及のカギの一つは価格帯にある。現在、スマホ市場の数量が伸び悩む分、各メーカーは高機能化による単価引き上げを進めている。折り畳みスマホも高価格路線になるのは確実だ。

 サムスンのように価格が20万円前後となれば、高級パソコンやデジタルカメラなどと肩を並べる。果たしてメーカー側の強気の価格設定に、消費者がどこまでついて来られるのか。スマホとタブレットの2台持ちの解消というメリット以外の独自コンテンツなど、付加価値をいかに提供できるかが勝負となりそうだ。

 20年には第5世代通信(5G)の商用サービスが始まる。現在の4GLTEの100倍の高速通信が可能で、4Kなど大容量の高精細映像を携帯端末で楽しめる。折り畳みスマホが成功するには、こうした動きをうまく取り込む必要がある。

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最終更新:11/15(木) 9:15
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