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岐阜市の畜産施設、21頭殺処分 豚コレラ飼育豚2例目

11/16(金) 11:47配信

岐阜新聞Web

 岐阜市の養豚場の豚が家畜伝染病「豚(とん)コレラ」に感染した問題で、県は16日未明、同市椿洞の市畜産センター公園の飼育豚2頭を遺伝子検査した結果、豚コレラウイルスの陽性反応が出たと明らかにした。県の指示を受けた市は同日午前中に全21頭の子豚の殺処分を完了し、敷地内への埋却と消毒作業を開始した。

 県は、家畜伝染病防疫対策本部員会議を開き、古田肇知事は「振り出しに戻る事例で大変残念な結果。これ以上、農場での感染が発生しないよう万全を期すように」と指示した。

 今年9月9日に国内で26年ぶりに豚コレラが発生以来、県内で野生イノシシ49頭(今月14日現在)の感染が確認されているが、発生農場以外の飼育豚への感染は初。発生から2カ月を経て豚への2例目の感染が出たことで、防疫対策の難しさが浮き彫りになった。

 市畜産センター公園は、9月の発生農場から北西に約8キロ。15日午後、市獣医師が発熱や食欲不振など体調不良の豚1頭を確認し、定期報告とは別に中央家畜保健衛生所に通報した。この豚と別の豚の2頭を検査し、いずれも陽性だった。 県は、同公園から半径3キロ圏内を移動制限区域、3~10キロ圏内を搬出制限区域と設定。移動制限区域に他農場はないが、搬出制限区域には豚・イノシシの8農場があり、計約8600頭を飼育している。

 県は約3週間前までさかのぼり、同公園から岐阜市食肉地方卸売市場(同市境川)へ豚を出荷したかどうか、同時期に市場を利用した農場はどこかなど、交差感染の可能性のある農場を調査し、立ち入り検査を行う。同公園には敷地内に堆肥舎があり、共同堆肥場は使用していなかったとみられる。

 同公園周辺の椿洞地域では感染した野生イノシシが多く見つかっているため、9月20日に同公園に電気柵を設置したほか、豚の屋外展示をやめるなど防疫態勢を取っていた。 豚コレラは、豚やイノシシが感染するウイルス性の伝染病。感染力が強く、致死率が高い。人には感染せず、感染した豚やイノシシの肉を食べても人体に影響はない。

 吉川貴盛農相は16日の閣議後の記者会見で、岐阜市での豚コレラ発生を受け、感染拡大要因となるイノシシの養豚場への侵入防止を徹底するよう、全都道府県に要請したと明らかにした。

◆公園に豚のうめき声 「物々しい雰囲気」

 岐阜市椿洞の市畜産センター公園で、防疫措置として行われた豚の殺処分は、16日午前4時ごろから始まり、県中央家畜保健衛生所、岐阜市畜産課の職員ら約10人が豚舎に入った。

 白い防護服姿の担当者が豚舎から出入りを繰り返し、普段は物静かな一帯に豚のうめき声が響いた。豚舎から南西の敷地にはブルーシートが張り巡らされ、重機で掘った穴に死んだ豚を運び込む準備作業が進められた。

 公園付近を散歩していた近隣に住む男性(81)は「物々しい雰囲気でびっくりした。公園の豚は人気だった。殺処分は寂しい」と肩を落とした。

岐阜新聞社

最終更新:11/16(金) 11:47
岐阜新聞Web

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