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引退危機の横綱、稀勢の里をひそかに苦しめている「真の師匠不在」

2018/11/17(土) 9:15配信

ITmedia ビジネスオンライン

 恥ずかしい。横綱稀勢の里が九州場所5日目から休場した。横綱の初日からの4連敗は不戦敗を除き、11日制だった1931年春場所の宮城山以来87年ぶり2人目。1場所15日制がスタートした1949年夏場所以降では、初めての異常事態となった。まさに屈辱である。

「ご苦労様でした」とは言わない

 分が悪い相手の小結貴景勝と初日で対戦して呆気なく敗れた末、右ひざを痛めたという。日本相撲協会に提出した診断書によれば、「右膝挫傷捻挫で全治1か月の休業加療を要する」。だが、これも負けが込んだ横綱がよく使う、眉唾物の“常とう手段”で同情はできない。

 2日目からも平幕相手に下半身が付いていけず、3日連続の金星支給。ケガを押しながら強行出場を続けていたというよりも、連敗地獄から脱せないことで何とか理由を作り、休場したとみるのが妥当かもしれない。政治家や著名人がバッシングにさらされた揚げ句、入院するのと同じ手法だ。きっと世間の大半の人が、そう思っているだろう。

 初の1人横綱として臨んだ今場所。先場所で9場所ぶりの皆勤を果たし、2ケタの10勝を挙げた稀勢の里に対する期待は大きかった。横綱本人によれば、コンディションも上々だったはず。実際、場所前には「やれることはしっかりとやってきた。しっかりと初日へやっていきたい」と明言していた。しかしながらフタを開けてみれば、このザマである。

 案の定、ネット上でも大バッシングだ。それでも稀勢の里は「もう一回チャンスをもらいたい。このままでは終われない。チャンスをください」とメディアを通じて懇願している。まるで泣きを入れているようで痛々しい。

 すでに場所前の時点で横綱審議委員会の北村正任委員長は、「序盤で負けが込んで休場ということになれば何か考えないといけない」と言い切っている。それだけに26日に定例会合を開く横審では、果たして厳しい内容の決議が出されるかに注目が集まるが、今のところ「引退勧告までは出されない」と見る向きのほうが強い。これまでも稀勢の里に対して大甘な姿勢に終始している流れを考えると、何だかんだと言いながら今回もせいぜい注意程度で、「来年初場所で進退をかけろ」とハッパをかけてお茶を濁しそうな気配だ。

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