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チキンラーメンのひよこちゃん なぜアクマに?… 日清食品に聞いたら60年売れ続けてこその悩みがあった

11/18(日) 8:20配信

関西テレビ

お湯を注いで3分間、自宅で手軽に味わえるインスタントラーメン。

地球上で年間1000億食以上が消費されている(去年推定/世界ラーメン協会調べ)この「世界食」は、60年前に大阪・池田市の簡素な小屋で誕生しました。

市内にあるカップヌードルミュージアムで当時を再現して作られた小屋を覗くと…?

薄田ジュリアキャスター:
「なんか普通の台所のようなスペースで…」

日清食品HD広報部・村上さん:
「ありふれた道具が並んでいると思うんですけど、高価な道具や設備が無くても知恵と情熱さえあれば、誰にでも発明・発見はできますというのをここでは伝えております」

開発のきっかけとなったのは、創業者・安藤百福さんが、戦後間もないころに見た、屋台の行列でした。

日清食品創業者・安藤百福さん(1981年取材)
「屋台ので、一杯のラーメンをいただくのに、もう行列で。それを見てこれからの日本の大衆の食料は、これだと!」

日清食品HD村上さん:
「お店ではなく自宅で手軽に食べられるラーメンがあれば、どれだけ喜ばれるだろうと、自宅で食べられるインスタントラーメンの開発を始めたというのがきっかけです。

 創業者の残していた言葉の中で、今でも我々日清食品の創業の理念にもなっているんですけど、『食足世平(しょくそくせへい)』という4文字の言葉があり、食が足りてこそ、世の中が平和になると」

■「人生に遅すぎるということはない」

百福さんは平均4時間の睡眠時間以外は1日中、小屋にこもり、インスタントラーメンの開発に没頭。

何度も壁にぶつかる中、ある日、意外なところに突破口を見出します。それは…。

日清食品HD村上さん:
「チキンラーメンを揚げている映像をここでご覧いただけるんですけど、実は一番苦労したところが、麺をどうやって乾燥させて長期保存可能な麺にするかというところだったんです。ある日、奥さんが台所でてんぷらを揚げている様子を見て、麺を油で揚げて乾燥させたら長期保存できるんじゃないかということをひらめきました」

こうして、1年間の奮闘の末、1958年、百福さん48歳の時に世界で初めてのインスタントラーメンが誕生。のちに百福さんは、こう語っています。

(日清食品創業者・安藤百福さん)
「人生に遅すぎるということはない。私は48歳から再出発した。60歳、70歳からでも新たな挑戦はある」

ちなみに、発売当時のチキンラーメンのパッケージを見てみると、今と違って袋の一部が透明で中身が見えるようになっています。世界で初めてのインスタントラーメンが、どんなものか一目で分かるようにしていたのです。

時代は、高度経済成長期に突入したばかり。スーパーマーケットの普及により、大量販売のルートも確立されました。

当時、うどん1玉が6円に対し、チキンラーメンは35円と高価でしたが、自宅で手軽に食べられるラーメンは「魔法のラーメン」と呼ばれ、爆発的に売れたのです。

そんなチキンラーメンについて、生前、百福さんは…。

日清食品創業者・安藤百福さん(2006年取材)
「みんな『うまい』と言ってくれてるから、何十年と消えない商品だから、多分間違いない」

あれから60年、技術が進歩し、製造は手作業から機械化へと変わりました。

しかし、鶏がらスープを染み込ませた麺を油で揚げる製法と、基本的な味付けは、今も変わらず、多くの人に愛されています。

Q.発売時のこと覚えていますか?

女性:
「高校生。そやから、試験勉強の徹夜の一夜漬けのお供でした」

別の女性:
「手軽にどこにでも持って行って、お湯をかけて終わりいうのはすごいよね」

男の子:
「チキンみたいな味がしておいしい。安藤百福さん、1人でチキンラーメン頑張って作ったからすごいと思う」

■課題は次世代ファンの取り込み

そんなロングセラー商品に、60周年の今年、異変が起きています。

(チキンラーメンの公式ツイッター)
「やってられっか!」
「ひよこにチキンラーメンの宣伝させるなんてどうにかしてる」

チキンラーメンのキャラクターでお馴染みのひよこちゃんがツイッターで毒舌を吐いたかと思えば…。

(チキンラーメンの公式ツイッター)
「アクマターイム!!!!!!」

なんと今度は、おそろしい風貌のアクマに豹変。一体、何が起こっているのか!?日清食品東京本社で尋ねてみることに。

薄田キャスター:
「こんなにかわいい癒し系のひよこちゃんが、なんでアクマに豹変しちゃったんですか?」

日清食品マーケティング部・石原マネージャー:
「今年チキンラーメンブランドが60周年を迎え、100年ブランドに向けて、若い方々に対し、もっとチキンラーメンを食べていただきたいと思った時に、このコミュニケーション(ひよこちゃんのアクマ化)を思いつきまして」

ロングセラー商品の共通の悩みとも言えるのが、ユーザーの高齢化です。

チキンラーメンも例外ではなく、次世代のファンを取り込むことが新たな課題となっています。

そこで、今年4月に発売されたのが、「チキンラーメン アクマのキムラー」。

病みつきになる「アクマ的なおいしさ」をダイレクトに伝えるため、ひよこちゃんがアクマに変化したというのです。

日清食品・石原マネージャー:
「春にツイッターのフォロワーが3万人位いらっしゃったんですが、今は10万人を超え、今までチキンラーメンとあまり親しくなかった若い人たちがファンとして増えたと思っています」

実は、カップ麺の発売以降、鍋で作るなど、ひと手間かかる袋麺の市場規模は縮小傾向(日本即席食品工業協会調べ)。

若者の袋麺離れを背景に開発した「アクマのキムラー」は、袋麺でありながら、お湯を注ぐだけで、カップ麺のように、具付きのラーメンが食べられるのが最大の特徴です。

薄田キャスター:
「袋麺に危機感を覚えていたんでしょうか?」

日清食品・石原マネージャー:
「このままでは袋麺がもしかしたらなくなってしまうかもしれないという危機感のもと、袋麺市場を活性化させたいという目的と、チキンラーメン過去最高の売り上げというところを目指し、若い方に食べていただく袋麺を作ろうと」

アクマのキムラーは、発売から半年で、当初の目標の1.5倍の売り上げを記録。チキンラーメンブランド全体の売り上げもけん引しています。

日清食品・石原マネージャー:
「創業者も『チャレンジに遅すぎることはない』と思いながらチキンラーメンを発明したということもございますし、チキンラーメンもずっと今が1番と思いながら、新しい挑戦を続けていきたいと思います」


(関西テレビ11月13日放送『報道ランナー』内「なるほど!ちまたのケーザイ学」より)

最終更新:11/18(日) 8:20
関西テレビ

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